吹雪

『シルエット』
冬の名残の枯れ枝は
今では朽ちて弱く
線を引いて遊ぶときも
ちょうどいい長さは
なかなか見つからないようです。
かけっこのスタートラインも
飛び跳ねる先の丸い印も──
なにしろ印で区切られた外側は
溶岩として扱うというのです。
それを区切ることのできる──
朽ちかけた細い棒に込められた力は
相当なものだと思われます。
自然界が内に秘める驚異はいつでも想像を超える、
ということが言えそうです。
さて、季節を問わず
棒を使う用事が
子供にも大人にも、
かけっこをする場合もそうでない場合も
必要な時があります。
靴の先で線を引けるなら
それでいいのだけれど──
私が数日前に体験した遊びですが
キミは知っていますか?
庭に走り出て行ったら
影の部分だけを踏んでいって
そのほかの場所は溶岩になる、
という遊びです。
小さな子供がいる家の庭は
簡単に溶岩になることができる──
と言えるでしょう。
日のある場所に落ちては怒られ、
子供たちの手で
救出されることを
何度か続けたので──
私も考えました。
棒を手に持ち、
線を引いて記録する。
自然界にある魔法のように
転がっていた棒によって覚えるのは
影の広さ、
時間による変化、
安全な領域の移動──などなど。
学ぶことはたくさんあります。
最近は日当たりが強い日も多く、
運動能力に制限が
増えるのと同時に──
くっきりと濃い影が落ちて
安全地帯を増やしています。
地道な努力はある程度の効果を見込めます。
そろそろ──
知識の蓄積が
みんなの運動能力を上回る時期がやってくるはずです。
キミはどう思いますか?
明日は私から遊びを誘ってみてもいいかもしれません──
良い戦績が見込めると考えています。