氷柱

『ラストバトル』
陽気が良くて
勉強もはかどる時期ね。
年度末のおさらいテストも、
新学年になってからの
実力テストも
がんばったなりの結果。
気を緩めるのは
いけないけれど──
今のところは十分と言っていいでしょう。
誰に自慢するというものでも
ないけれど──
蛍ちゃんと話していると
なんとなく聞き出され、
おそらく人の好成績を口実に
メニューを少し豪華にするのを
狙っているみたいだわ!
ときどきは
あまり無理しすぎないよう
心配されることもないではないけれど
別に私だって
無理をして続けているわけじゃなくて
調子がいいと
楽しいから──
やっているだけ。
フフ──
勉強が楽しいって
みんなに言わせると
不思議だそうよ。
でも、立夏が欲しがっている
よくわからないオシャレなやつの
新しい靴が私たちのところに届くのも
いろんな人がそれぞれの専門分野で
結果を出しているからでしょう。
マリーが建てたい大きなお城も
数学的な技術の蓄積があってこそ。
自分には関係ないみたいな顔をしている
ヒカル姉様のふかふかタオルやスポーツドリンクの
研究だってそう。
スポーツの分野に今や科学は欠かせない──
そうでしょう?
私の試験の成績が
やがて将来どんな分野で
結果を出すのか──
そりゃあ進みたい方向は考えているけれど
何が向いているか
中学生でそんなにはっきりとは
わからないんだもの──
叶えられそうにない夢があったら
かわりにやってもらえるように
下僕を操作する技術も鍛える必要があるわね。
いつか来る日のために
今はコツコツ
ただ地道に──
それが楽しいだけよ。
だから今日の好成績は
ゴールでもないし
何かの決着がついたわけでもない
道半ばなのだから──
蛍ちゃんにもそんなに喜ばなくていいって
あなたからも言っておいてよ。
少し──今日のメニューが豪華になりすぎてしまいそうな話になって
そんなのいいのにって
思うんだから──