綿雪

『星を見た』
まだまだ朝晩は
寒い時もあって──
普段から暖かくしている
ユキのとなりに
寒そうに身を縮めた子が
ぴったり。
夕方になったら
早く帰らないと
ふいに冷たい風がやってきて
押し返されてしまう──
着るもので調節するのが
少し大変な季節ですね。
お兄ちゃんも気を付けて!
寒さはどこからでも
訪れるのです。
おうちへ早めに帰るように
していると──
まだ暗くもならない時間なので
ゆっくりお日様が
山の端にかかることもなく
ましてや一番星を探すことさえ
今の子供たちには──
夢のよう。
しばらく見ていないけれど
カーテンの向こうにある
夜の空で
星空は今日も輝いているでしょうか?
ときどき
カーテンをちらりと寄せて
探してみても──
寒くない時は
いいのかしら。
あの光は
遠く遠く
はるか遠くの彼方で
とても大きな星が燃えていて
私たちのところまで
遠くまで、
届くのだそうです。
いつでも星を探したい
小さな妹に
むしくいで穴の空いた布から
のぞかせてみても──
だからなのか、夜空の星とは違うようです。
でも、あんまり大きな光が近くにあると
暑くてもいけないし
ときどき探すくらいがいいのかも。
ユキたちの眠る頭の上に
今夜も星がきらきらとまたたく──
会えなくても
あこがれの素敵なお星さま。
ユキのまわりにはきれいなものがいっぱいあるの。
お兄ちゃんも
カーテンを寄せて探すなら、
どうか寒くないようにしてね。