氷柱

『一生の不覚』
一週間ぶりにやって来る
楽しい週末のお休み。
明日の日曜日をどう過ごすかで
それからの週が
うまくいかそうでないか、
──別にそれだけで決まるわけではないけれど
気分は少し違ってくることもあるわよね。
私の日曜日の予定は!
友達と遊びに出かけて
人通りの多いところは避けつつ
おこづかいの範囲でお買い物。
それに加えて
一日中家にいて
小さな妹たちと
本を読んだり遊んだり
一緒に過ごす約束をしたの。
……わかる?
そう。
スケジュール管理はおそろしい。
縁のない言葉だと思っていた
ダブルブッキングという
呪われた言葉が
私の上にものしかかり──
最近、少し忙しかったようで
ぼーっとして
適当な返事をしていたの。
ただでさえ
春のお出かけシーズン。
世間はそんな空気じゃないけど
でも気を付けながら少しは
友達と歩く日があってもいい──と思う。
私にまでそんなことを言わせるのだから
暖かい陽気の力といったら──
そんな感じでここ最近のお誘いは
家の外からも内側からも
かなりの勢いがあったの。
よく立夏が守れない予定を入れてしまって
この子ったら!
なんて叱っていたのに
もうそんな立派な顔はできないのね……
というわけで
あなたにこんな恥ずかしい告白をした意味は
わかっているでしょう?
なるべく早めに帰って来るから
その間に小さな子たちが不自然に思わないように
引き延ばす役目──
それをお願いしたいの。
妹たちにとっても
大事な日曜日なんだし
私のへまで残念な思いをさせたくない。
勝手なお願いだとわかっている。
でも今は
頼れるのはあなたしか……
でも……
ううん、やっぱり
断ってもいいのよ。
こんな身勝手な話なんてないものね。