『待ちぼうけ』
今日も寒い日だ。
早めに帰って
日の当たる窓際にいても──
風の音を聞くだけで震えるのに
帰りが遅くなると
どうなってしまうのだろう──
あまり凍えて
動けなくなったりはしないだろうか。
家に着いたら
暖かい飲み物──
お風呂──
羽織るもの──
用意しておきたいものは多い。
おやつだって
できたてのホットケーキや
おしるこなどが
いいだろう──
材料の場所をのぞいて歩く。
きっとみんな
すぐには帰れない大事な用事が
あるだろう──
やがて等しく塵になる人の身で
そこまでするほどのことは
あまりないだろうに、
健気なことだ。
真面目な子たちが
寒がるような状況になることは
なくていいのに──
窓から外を見ながら考える。
今にも家に向かう道を
向かってくる姿が
あらわれるのを待っている──
はて、これでは
遊んでもらいたくて足元で飛び跳ねている
小さい子供たちが
無邪気に目を輝かせているのと
そんなに変わらない──
人から見ればそうなるのではないか。
まあ、それでもいいだろう。
これは大きな宇宙の
ちっぽけな星に住む小さな生き物の話だ。
わずかに年を重ねた私もまだ幼い妹も──
たいした違いもないのだろうな。
まったく、早く帰ってくればいいのに。
まだかな──
暗くなる前にいい子で集まってくれるだろうか。
私のかわいい家族たちは──