海晴

『この日を忘れない』
何かと大変なこともあって
ばたばたしっぱなしだけど──
でも、今日はみんなが
大事なチョコを渡せたみたい。
本当に──よかった。
大きな地震のあった夜が過ぎ、
まだ怖そうに甘えてしがみつく
小さな妹たちと
改めて災害時の備蓄や
避難の際の持ち物を確認。
これから何があるか
わからないということを
いつも忘れないようにしないといけない──
身を守るためにはどうしても
心構えは必要なんだから。
優先しないといけないことがあって
春風ちゃんはみんなのお世話で
思っていたほど
アピールできなくて残念そうだったし、
蛍ちゃんもそんなに思い切った
スペシャルメニューは用意できなかったみたい。
一緒にとっておきの
面白い絵本を読みたかったさくらちゃんも
今日ばかりは揺れる窓の音の怖さを
お兄ちゃんに伝えるので頭がいっぱい。
だけど、みんな
同じ気持ちだと
私が知っていること──
お姉ちゃんだから
顔を見ればわかってしまうこと。
贈り物をして、それぞれの思いを伝えるために
振り絞った勇気や──
受け取ってもらえて、
喜んでくれたらしい
あの表情──
いつも見慣れたはずなのに
何度見てもまぶしく
優しそうな──
家族だからちょっと似ているところのある気もする
その笑顔。
キミが家族にいてくれて
いろいろ大変だった今日を一緒に過ごしてくれて、
みんなとっても感謝しているの。
この気持ちを
いつもいっぱい
伝えたくてたまらないのにな──
だから今日はたくさん
そんな感謝を伝えようとした日。
胸の中が暖かくなるいっぱいの思いが
いったいどれくらい届くのか──
上手に伝えられた自信もまるでないけど
でもあなたは──
喜んでくれていたみたいだもの。
それだけはお姉ちゃんも見抜いたよ!
よかった。
どんな時もキミがいてくれてうれしいの。
いつもありがとう。
これからも、どうぞよろしく。