星花

『運命の分かれ道』
節分です!
豆まきをして
鬼を追い払い
福を呼び込む──
一年に一度の
大事な日!
みんなの一年分の
福のためなら
どんな方法をとろうとも
かまわない!
というわけで
くじびきをして
豆まき役と
鬼役をする人に分かれる
節分の夜。
二つに一つ──
まるでこの場で
今年の運命が
大きく変わってしまうかのように
豆まき役を引いた子は
ほっと安心し、
鬼役は
仕方がないから鬼になりきり
おどかして
今年の節分で誰より何より
一番に
怖がらせる!
鬼になる!
不思議と張り切る
そんな一日。
さて、星花はどちらのくじを
引いたのかというと──
えへへ。
……
明日から先のことは
誰にもわからないけれど、
みんなが一生懸命に福を願い、
悪いことも
もうなんにもなくなると
はしゃいで騒がしく
夜は更けて──
一生懸命お願いしたんですもの。
これで来年の節分が来るまで
鬼は来ないし
かわりにおうちには
天井までみっちりたくさん
招き込んだ福が
出番を待って積み重ねてあります。
二十人きょうだいの一年分、
いいことばかりを運び込みたくて
豆まきは行われます。
どこのおうちも
きっとそうであるように
私の家だって今日は特別な
優しい祈りがいっぱい。
みんなの心からの
大きな声が響いた──
まだ寒さに震え
春を願いながら待つ日が、
だんだん暖かくなる良い日々の
はじまりになるといいな。
どうか星花のそんな願いが
節分のお祭りのどさくさで叶いますように!