春風

『あーちゃんのこと』
おうちのあーちゃんは
とってもかわいい。
お兄ちゃんのことを
大好きで──
すぐに遊んでもらいたがるところが
かわいいの。
大人になったら
とても甘えんぼうの
お兄ちゃん大好きな子に育つに
違いない!
春風とどちらが
甘えんぼうになるでしょうか?
それに、よく食べるところもかわいい!
好き嫌いなく
なんでもおいしそうに食べては
にこにこしている。
まぶしい笑顔は
わがやで一番の輝き──
誰にも真似ができない
すごい存在。
あんまりよく
食べるものだから
みるみる大きくなって
春風の背丈を追い越すまで
すぐのはず!
楽しみですね。
あっ、でもそうすると
体も大きく
食べるものも多く
山も谷もひとまたぎで
川でおぼれた羊もつまんで助け出すようになると
それはもう
今よりももっと食欲旺盛で
春風におねだりするようになるのかな。
これは
忙しくなりそうです──
どうしたの、あーちゃん?
王子様に
遊んでほしいの?
王子様もこれから大変になるかもしれないです。
今のうちから
たくさん体力をつけてもらって
おかないといけない──
あら!
春風は今日からもう忙しいのでしょうか?
外はちらちら雪まじりの雨。
このあいだの夕凪ちゃんの
しっかり元気いっぱいのおつかいがなかったら
みんなおなかをすかせていたところだわ──
もしもそれでも足りなくて
王子様も力をつけられなかったとしたら!
春風の責任だわ!
なんとなくそんな気がします!
うふふ。
あーちゃんは
今日も明るくてかわいい──
春風はあーちゃんや
王子様といられる
やさしいまじめな──
今よりちょっとしっかりした存在になりたいと
よく考えているんです。
この冬の寒そうな窓を見て震えている春風にも
叶う願いなのかしら?
よしよし、いい子。
あーちゃんといると春風はうれしいのよ──