ヒカル

『冬アイス』
冬になると食べたくなるのは
おでんにラーメン、
あんまんにたこやき。
それから──
なぜだか
アイスが食べたいときがある。
寒い季節に
冷たいものに挑戦したい我慢大会の気分なのか?
よく運動して温まった後の
自分へのごほうびが欲しいのか?
それともただ単純に
部屋を暖め
湯気の立つ熱い食事で
汗ばむくらいになった瞬間の──
自然な感情でいいのだろうか。
寒い寒い冬を乗り越えるために
体がアイスを求めるという矛盾。
吹雪がネットで調べた話だと
冬に好まれるアイスは
定番のバニラに加えて
チョコレートやラムレーズン。
高級感があり
濃厚な味わいが
みんなの好み。
とっておきの
特別な時間を演出するため。
どうも夏に食べるアイスと
冬場に私たちが用意するアイスは
違う傾向の食べ物と考えても
いいのかもしれない──
それが吹雪の分析だ。
さて、買い物に出て
仕入れて帰るアイスを
忘れないようにする工夫も
吹雪の考え。
マジックで手のひらに書く!
お店に入って消毒をする時に
きっと思い出すからな。
この工夫のおかげで──
チョコ、バニラ、雪見だいふくと口ずさみながら
街を歩かなくてもよくなったわけだ。
いや──果たしてそうだろうか。
声に出してはいないだろうか?
楽しみがこぼれる時の
にやにや笑いみたいに──
オマエは冬に食べたい特別なアイスはある?
あともうひとつくらいなら
忘れずに口に出して歩ける気がするよ──