『お届け』
ふんふふーん
小さなお届け屋さん。
お掃除する子に
駆けよって──
いっぱいの袋を
くれるの。
かしこいね──
お届け屋さん。
……
という歌を
歌っていたのは、
さっきまで私の後ろを
ついてまわっていた
さくらちゃんと虹子ちゃん。
なぜか不思議なことに、
そんなに本格的に
掃除を始めていない私が、
ゴミ袋をしまってあるところを
よく覚えているということで
お届け物を頼まれるの。
どうして?
なぜかゴミ袋を運ぶチームの
リーダーになっていたのよ。
一緒に袋を持って駆け回る
小さい妹たちは、
お手伝いができるだけでうれしいみたいだけど
子供ってそうなの?
私も無邪気に
お役に立てるだけでうれしかった時期が
あったのかしら──
まあ、たぶんなかったと思うけど。
寒いお外で仕事をしていた
働き者たちに、
今日は特別ということで
ホタ姉様から体の温まるカップラーメンの差し入れがあったわ。
袋を届けただけでも
ごほうびの特別、
もらってもいいはずよ──
だいぶ走り回ったんだから。
普段から片付けを心掛け、
散らかさないようにしていても──
そろそろ雑誌を重ねて縛り
模型の箱をそろえて片付ける時期が
近づいてきた。
どれもこれも──まだ手元に置いて
いつでも遊べるようにしておきたいのにね。
ずるずる──ぱくぱく。
そうだ。
寒い時期のお仕事に備えて
カップラーメンには卵を入れて栄養を付けてもいいと思わない?
卵もお届け──自分用だけどね。
ふふん。