『日常』
ハロウィンだ。
家の中が少々騒がしいが
どうだ。
楽しんでいるか?
ちらちらと
お化けの姿が見つかるのと
かぼちゃ料理が多いくらいで
まあ──
明るい声がする
いつもの景色とも言える。
歌を歌って
一緒に跳ねて
手を叩いて遊んで──
小さい子をお風呂に入れたら
まぶたが重そうな順に
寝かしつけだ。
いつもと違いがあるとするなら
たまにいたずらされるくらい。
なにしろ
ポケットの中が必ずしも
お菓子の保管場所として信頼できるとは
限らないからな。
いたずらされる前に取り出し、
なくなる前に補充する──
もちろん、たまに自分でつまみ食いもするとなれば
うっかり手持ちのお菓子がない時だって
誰にでもあるはずだ。
オマエもやはり
いたずらするおばけによって
くすぐられたりおどかされたり
したのだろうか──
まったく、お菓子のなくならないポケットさえあれば
ハロウィンの一日を平穏無事に過ごせただろうに。
ん──?
そういえば
今日が過ぎるとまた別のイベントが
近づきはじめると聞いたことがある──
早めにサンタさんへのお手紙を書くとよいということも。
フフ──どうやら
願い事の一番乗りは
今日という過酷な日をうまく乗り越えた私へ降り注ぐ
神からの贈り物かもしれないぞ。
いや、贈り物はこれからもらうんだが。
やがて今年も
暮れに向けて次第に近づいていくようになる──
もうすぐ実感するときも来るのだろう。
一年に悔いを残すことがないように、
ハロウィンのお菓子をもっと食べたかったと悔やむことがないように
日々を全力で過ごす私たちの営みは
今日も変わらず続いているようだ。