星花

『青空』
見上げるといつもの
ねずみ色の空模様、
何日も続く変わりばえのない色合いに
朝から気分も曇りがち……
なんていうのは
きのうまでのこと。
久しぶりに
すっきりよく晴れた
さわやかな陽気になりましたね!
子供たちは歓声を上げて
校庭を駆け回り、
ボールを追いかけなわとびをとんで
ブランコも雲梯も
いつもより人気を集めているよう──
汗ばんだみんなのために通り過ぎる風も気持ちのいい
こんな秋晴れを
待っていたのは、子供たちだけではないと
実は星花も知っているのです。
蛍お姉ちゃんは洗濯物をかかげて踊り、
ヒカルお姉ちゃんもおつかいの荷物がいつもよりも増えて
はりきっているみたい。
窓辺でみんなを応援する霙お姉ちゃんも
なんだかいつもより優しい気がするほどで──
それになにより、家に帰ってきたら
小さい妹からお姉ちゃんまで
わちゃわちゃになって遊んでいないと
どうも体を動かした気分にならない!
っていう人は多いみたい。
星花は──どっちかな。
むにゃ。
ところで、よく体を動かしているときって
疲れるのが当たり前だと思うのになぜか
あれも遊びたい、こんなのも思いついたって
新しい遊びを次々とひらめいて
追いかけ続けること──
あったりしませんか?
不思議とお友達も同じ遊びを思いつくの。
私も今、
そういうかんじ!
なんて声をそろえる
高く澄んだ秋空の下──
本当はもう少し
けんけんも石ころ転がしも遊ぼうって
みんなで誓ったはずなのに
夕暮れに追われるように家に戻ったら急に──
はしゃぎすぎたせいでまぶたが重くなるのも
よくある──
かもしれない──
ああ、星花はお風呂のあとのためなのか
ついについに
眠くてあまり難しいことは考えられなくなっているみたい。
はみがきよし、宿題も済ませた。
みんな、いいお天気のおかげです。
明日も早く起きて──いろんな楽しいことがあったらいいね。