吹雪

『変わらないもの』
子供の成長に
おやつの時間は欠かせないもの。
おなかがすいたと感じる
適度な時間に──
人は思い思いの食器を選んで
間食することを選びます。
カロリーは?
栄養バランスは?
それを突き詰めていては
おやつの時間を有効に利用することはできない──
食べるものに厳しくまじめに接する、春風姉も蛍姉も
おやつは比較的──
あれはどう表現すればいいのだろう?
そう、言うなれば
ゆるい──と。
少し食べすぎたり
はしゃいでお行儀が悪くても
おやつの時間は目くじらを立てない。
ほどほどで──
ゆるゆるで──
いつもにこにこと、リラックスすることを
優先しているように思える。
バターのいい香りと
あたたかいミルクに
ゆっくり心をほぐされ
ゆるさに抵抗できなくなっていくよう──
集まって、顔を眺めて
うれしくなったらばたばたして、
大きな声が届く時間だけれど。
穏やかではある──
と思う。
おやつと向き合うにあたっての
気持ちの余裕という点が
昔から変わらず、私たちの家族では
欠かすことのできない
おやつの時間の唯一のルールであったと
そんなふうによく思うのです。
だから私も──
大きな声やお行儀の悪さや、
細かいことを指摘することを控える時間が
人の一日にあることを学んだ──ような気がする。
究極的に言えば
その時間において
味や食事の豪華さは第一に優先されるものではないというのは、
いろいろ言っていたようだったけれど
大勢の家族がそろうと──
結局最後には、お皿の上から消えていたことで
一つの証明となった、と考えられないこともない。
私は、バニラアイスを合わせることを考えた立夏姉が
今日のおやつの時間を引っ張っていたと見ています。
経験に支えられる知識量はいつでも人の持つ力であると──確信した瞬間です。