さくら

『おえ! ひゃくまんえん』
そこだ!
お兄ちゃんのあしもとの
そのはこだ!
みー
せー
てー
ねっ。
あ、あれ。
ない……
あのね。
さくら、
しってるの。
みぞれおねえちゃんはね、
おおがねもちで
やさしくて、
それにさくらと
いっぱいいっぱい
あそんでくれる!
うでにぶらさがっても
へいきなおかお。
おおきな
おとなのひと──
だから、ちびすけたちと
あそんであげるって
おうちのどこかに
ひゃくまんえんのおたからを
かくしたの!
マリーちゃんは
そういうおはなしの
さいごは、
いちばんかちの
あるものは、
だいたい──
かぞくの
おしゃしん
だったりするのよ!
っていうけど、
みぞれおねえちゃんは
ちゃーんと
ほんとうだぞ、
うそじゃないんだぞって
いったもの!
たぶん
おしゃしんじゃあ
ないんじゃ
ないかな?
さくらはしんじて
さがしているの。
とってもすごい
おたから。
みぞれおねえちゃんの
ものすごい
おたからを!
はしってはしって
そのへんを
ひっくりかえしまくったけど
まだだれもみつけていない。
さくらがもしも
いちばんに
みつけたら──
なににつかおう?
まだかんがえていないけど
そうしたら
ちょっとすごい子の
さくらだよ!
おたのしみの
おおいおうちに
さくらがはしる。
いいものをもとめて
きょうもあたりを
ひっくりかえすよ!