観月

『お祭りのよう』
ちびっこたちは
みんなみんな、
お休みが長くて
力が有り余って仕方がないのか
ちょっとうれしいと
すぐ踊り出す。
いつもそう?
うむ、そうだったかもしれぬな。
おやつの時間が来ると
踊り出し、
絵本やレゴブロックのお土産に
喜んで踊り、
兄じゃや姉じゃが
遊んでくれると聞いただけで
もりもり盛り上がって
大さわぎ。
まるでこんなにうれしいことは
この世に他に一つもないと
言いたいみたいに──
お休みの間中、
おうちの中は大声が響き渡ってやまないというわけじゃ。
ちびっこたちをいちおう
幼稚園の年長さんの立場として
監督しなければならないといつも背筋を伸ばしている
マリー姉じゃでさえ、
楽しいときには踊りの誘惑にあらがえず、
ついに!
となっているところを
ちかごろよく見るぞ。
こころなしかユキ姉じゃも
体調がいいおかげで踊る機会が増えているよう──
そろそろ吹雪姉じゃの番が来るまで時間の問題じゃな!
そしてやっぱり
うれしいのは、
エプロンを身に着けた姉じゃたちの背中を追いかけて
一緒に冷蔵庫をのぞき込んだり
しているときで──
夕凪姉じゃのアンケートのおかげもあって
好きな献立は具体的なほど、
わりと作ってもらえることがある!
踊りの足音、激しい地ならしとうれしい声が
ひとときも絶えることのないゆえんであろう。
今日のばんごはんは
おあげの大きなきつねうどんに加えて
おいなりが
お皿に山盛り!
あったまりそうなのが
イデアとしてとてもよかったと──
蛍姉じゃは言う。
はたして、誰のリクエストなのか
兄じゃには当てられるかの?
いちばん楽しそうに踊っている子が
答えかもしれぬぞ。
うきうき──
それはいったい!?
わかるかのう!?
くふふふ──
兄じゃの好きなものも作ってもらえるとよいな。
いいアイデアを届けられたか
試されるぞ!