真璃

『春休みの過ごし方』
フェルゼン!
あーそーびーまー
──
っしょー!
見渡す景色も
光のまぶしさも
すっかり季節は春が来て
学校も幼稚園も
そろそろ正真正銘の春休みといった感じ!
ああ、見るものすべてが
ひとつのこらず──
うきうきする輝きの中にあるみたい。
時にはお暇を持て余す
長いようで短いお休みを
家族みんなと過ごすことになるわけだけど──
マリーはねえ、
やっぱりねえ!
生まれついての女王様だと思うし
どんなときも退屈したくない
いきいきした日を目指したいの!
汗をかいて
スポーツに時間も忘れて夢中になるのも──
冬の間にはできなかったことでしょ?
小さい子たちがいるから
難しいルールなんていらない
キャッチボールや
かけっこでもいいの!
どんな遊びだって
いつでも全力で
楽しくしてみせる、
みんなの中心になってそう言える自信がなくては
もとより女王様なんて名乗れないわ。
遊ぶのっていいわね。
お互いを知って本気になれて
いいことばっかり。
マリーがみんなにこんなにいいことを
教えてあげたいな。
と思っていたら
遊ぶのは子供だったら
だいたいみんな大好きで
すごく得意なんだって!
海晴お姉ちゃまが感心していたわ。
わたしの妹たちはみんな遊びの達人!
いいところばっかり見つかるのって
心強い!
ですって。
まあ──そうね、
確かにみんなそこは得意なところね!
マリー、うかつにも盲点だったわ。
そうは言っても
観月みたいにみんなで遊んでいたら
いつのまにかどこかへ行っているようで姿が見えない
マイペースな子もいるし
みんなと遊ぶっていうのも才能や努力を問われる部分だと思う時もある──
フェルゼンはどう思う!?
マリーの好きな人なら
きっと退屈なんてさせてくれないだろうし
春休みには一度や二度で済まないくらい
フェルゼンのいいところを見せる場面があるはずよっ!
春って楽しみなことが多いみたい──
今がちょうど
期待がむくむくふくらむ頃ね。