氷柱

『楽しいひな祭りの』
終わりのあと。
ちょっとうるさかったけど
みんなが喜んでいるなら
まあいいかと──
そう思ってはいたのだけど
むしろ本番は
これからじゃあないかしら?
早く片付けないと行き遅れるという迷信は
とりあえず置いておくとして、
散らかったお菓子の袋に食べかす、
遊びに遊んだおもちゃのごろごろ転がる眺め、
たくさん食べたみかんの皮の生ごみまで
にぎやかであればあるほど
後始末の責任というものは
重くのしかかってくるの!
下僕もあんまり
全部片付けてあげるようなことはせず
さりげなく手伝うくらいにしておくのよ!
不器用な下僕に
できるのかしら──
まあ、私の背中を見ながら勉強することね!
きのうまでの暑いくらいのお天気が
神様の特別な計らいであったかのように
今日はまだまだ寒さの残る春曇り。
みんながこたつに押し合いへし合いで暖を取り
やるべきことが進まないのは
まあ気持ちもわからないではないけれど
いつまでも寄り集まって丸くなって
のんきな猫だまりみたいになっているわけにもいかないもの。
順に行動に移していかないとね。
妹のおしりをたたきっぱなしの手のひらが
やがて疲れたら、
みんなががんばったあとのご褒美のおやつを作るお仕事が私に回ってきた時、
困る!
さて、これからが大変だとわかっているのはどれだけいるか、
どうなることやら。
あんまり鞭を使わずとも
お手伝いに積極的な良い子ばっかりだといいんだけど。