春風

『2月』
節分が過ぎて
これからは暖かい日が増えて
春の予感を見つけることも増えていくのでしょうね。
そうなるといいな──
ううん、きっとそうなる!
春はもう近くまで来ているって
なぜだか春風にはわかるの。
寒くて凍えていた気持ちが
目を覚まして、
暖かな光に向かって怖がりながら背を伸ばすように
胸の奥は何かが芽吹く予感でうずうずしている。
子供みたいに無邪気で
今にも飛び跳ねようとする心の中を
春風は気が付いてしまっている──
子供のようと言えば、
昨日の節分は楽しかったですね。
豆まきはいつだって
小さな子にとっては一大行事なんですから。
あんなに一生懸命に
福を呼び込んでくれたら
家の中どころか
どんな願いだって叶うにきまっているの。
鬼役のヒカルちゃんは張り切ってやられたふりで
逃げ出してしまったけど。
ちゃんとすぐ帰ってきてくれたので安心してくださいね。
みんなが楽しく
季節を感じる行事を済ませた2月のはじめ──
でも、本当に楽しいのは
これからなんじゃあないかしら?
王子様──春風の言うこと
わかってしまった?
もう隠すこともできないどきどきで
春風の中はいっぱいなのだけど
2月と言えば
猫の日ですねってごまかしたほうが
今はまだ
お楽しみを期待する時間でいられるのかな。
王子様が言うのであれば
春風はきっとあなたのために
世界で一番かわいい猫になって
にゃんにゃん甘えて全力でその大きな胸の中へ!
そんなことだって、あんなことだって、どんなことだってしてみせるけど
まるで子供のように胸をときめかす乙女は
バレンタインに向かって夢中なんです。
あ、バレンタインってばらしちゃった──
毎年いつもこの時期になると
あなたを思って胸がどきどき
夢のような色に染まっていく。
きっと出会ってしまった時から
こんなときめきが毎年やって来ることは
もう決まってしまったのね。
本当は一年に一度だけじゃなくて毎日のときめきだけど──
勇気がなくて言えないことを
心を込めて伝えるのはその時。
春風、このチャンスを逃さずつかみ取ってみせます。
後悔なんて残すようなことがあったら
春は迎えられない──気がしないでもない!
どきどき、緊張感で高鳴る日々です。
すごく楽しみです!
じゃなかった、
どうか楽しみにしていてくださいね!
きっとよ──