『リユニオン』
願わくば
同じ意見であれば
いいのだが──
かわいい弟を見守り
愛を注いで
全てのわがままを許してやりたい
そんな姉に生まれた身であっても──
ときには譲れない主張があることは
仕方がない──
えっ、なんだって?
食べることの関係かどうか
確認しておきたい?
フフ──
なかなか私のことを
わかってきたようだが──
でも、今回は違う。
静かに降り積もり
景色をまぶしい白に染める
あの雪が積もったらいいか
そうでないか──
寒さや雪かきに気を取られて
輝く銀世界の美しさに気が付かないとは
惜しいことだといえる。
まあ、子供が滑ったり
体調を崩す心配をしたりするのは
わかるけど。
でも世界がまるで
今までそこにあった日常が消え
残るものは何もないと教えるように
ただいさぎよく一色に変えてしまう夜の
体験をしてしまうと、
つい幼いころのように
積もるかどうかをワクワクして待つ心境は
捨てられなくなるものだ。
そう思ってときめいて天気予報を見ていたんだが
どうも大雨が降るところもあるやら
激しい風に注意やらで
真っ白に染められる喜びのような
神妙な感じとは──
なんだか違うな。
海晴姉も伝えることが多くてばたばた
大変そうな番組進行だ。
素直に雪の積もった景色を楽しむ感じではない天候だな。
まあ冬と言ったって
ときには荒れてみたい時もあるのだろう。
フフ──とにかく明日の朝を待つのみだ。
風と雪の荒々しい眺めも一興と言える
心の余裕を持てるといいのだが
そううまくいくかは、まあその時になってみてからだ。