海晴

『操作に難あり』
うーん……
やっぱり……
調子が……
悪いみたい。
困ったなあ──
えっ?
ううん!
体の調子のことじゃないの!
いつもみんなに気を配り
優しい言葉をかけてくれるなんて
なんて頼もしい!
我が家の男の子!
私の──
誇りの弟ね。
よしよし、
お姉ちゃんうれしい!
と、まあ
抱き着いて撫でてあげるための口実はおいといて
どうも微妙な様子なのは
お天気お姉さんとしての
今後の雲の動きも
やっぱりなんだけど
でも実はそれ以上に
個人的なことで──
携帯があまり
反応しなくなっているのよね!
いくら機械に弱いお姉ちゃんでも
理由は知っているの。
さすがにラーメンの中に落としたら
いくらなんでもね……
もちろん食事中に携帯を眺めていた
お行儀の悪い私が一番いけないのよ。
でも、仕方がない理由もあるの。
仕事の関係もあるから
ここしばらくのお天気の情報はこまめに仕入れたいし
寒くなってきたから
風邪気味と言っていた友達の
快方に向かっている声を早く聞けたらな、
助けを求めていたら行ってあげたいな、
という気持ちもあるし
通販で頼んだものが早く届かないかどうかも気になるし……
そうなの!
言い訳も何もできないくらい
私が全部悪いことはわかっているの!
それでもちょっと甘えてみたかっただけ……
それにしても、どうしようかなあ。
さすがに買い替えは必要として
新しい機種に望む機能は!
かわいい色やデザインはあるのか!
そして予算は!
うーん、悩むことがいっぱい。
こういう時に相談できる相手がいる人は
幸せだろうなあ。
ちらっ。
特に私にはない
男の子目線でアドバイスしてくれる人がいたら
とってもうれしいかな!
……
ねえ、私のかわいい弟くん──
キミは放課後のたい焼きとか
たこ焼きは好きだったりするほう?
リクエストに応える準備はできているの!
どんなアドバイスでも──
お姉ちゃんは喜ぶんだって
わかってくれる?
どうか相談に乗ってくれないかな!?