海晴

『成長とは?』
なんだか今日は
街の景色も華やかで
冷たい冬の空気もほのかに暖かく色づくみたい。
そう!
いいわよね、成人式。
こんな特別な日に
気持ちのいい快晴の予報をお伝えできるのも
お天気お姉さんだからこそ味わえる喜び。
たのしいっ!
私がもうすぐ
成人の日を迎える年も──
こんなふうにいいお天気になってくれるかしら。
でも、自分の記念日を
自分で予報するのも
それってありなのかな?
その時には後継者が育ってくれているといいわね。
我が家は中等部あたりにも
期待できるホープがいることだし。
そう、それはもちろん
晴れを呼ぶ女、立夏ちゃん!
というのは
半分冗談として
氷柱ちゃんがもっとその気になってくれたら
ママはすぐにでも出番を用意してくれるのにね!
というのも半分冗談……いやママのすることだから……
ま、まあ怖いことは考えるのはやめて
もうあと少しで
私がきょうだいで最初の成人式かあ──
普段からお姉ちゃんとして
時に厳しく時にやさしく
みんなを導いているつもりだけど!
いざ区切りの日が近づくとなると
本当にいいのだろうか?
そんなに急に大人になって?
弟や妹たちはしっかりした姉の背中しか知らないだろうけど
本当はまだ子供っぽいところもあるというのに!
と、ちょっと考えるけど
まあなるようにしかならないし
考えてもしょうがないか!
という結論が
子供なのか大人なのかまだよくわからないのでした。
あ、でもそうか!
考えれば、普段からみんなの頼れる姉としてがんばっているんだから
日頃の行いの積み重ねで
期待の日はきっとばっちり晴れるに違いないわ!
なーんちゃって。
なんちゃって。
……
あ、今日はちょっと日頃の行いを積み重ねたほうがいい気もしてきたわ。
お皿洗いの当番の子と代わってあげたら──
天の神様もちょっとは見直してくれるかな?
こんなよく晴れた日は
いい行いもいっぱい見ていてくれそうだもんね!