星花

『空は青く、どこまでも青く』
重箱の内側は
つるつるきれいで赤いお祝いの色。
みんなで手分けをしてぴっかぴかに磨いたら
今日のお天気で──
たちまちすっきり乾いてくれそう。
彩りがあっておいしかったおせち料理
きのうでついに食べつくし
元気な家族のおなかが鳴る音を聞いて──
マイクロビーズや低反発のクッションに沈んでリラックス、
全力で休んでいたお姉ちゃんたちが
そろそろ動き出すときがやって来たと
てきぱきの日常に戻っていく。
星花たちもそろそろ
よく晴れたお天気の日には
冷たい風に負けない風の子に戻って
遊びに出かけなくっちゃ。
まだ小さなみんなが向かう
新年のあいさつ回りは
公園やお友達のところ、
習い事によく顔を出す部活動、
新春のあいさつをはじめるおなじみのお店や
街で一番眺めのいい場所、
小さな芽をつける梢に囲まれた静かな景色。
人通りの多い街並みとファーストフードのお店、
それににぎやかな映画館。
あ、今日はネタバレはないので大丈夫です!
落ち着いた頃にまた機会があれば──
たぶんCDがお店に並ぶ頃かなあ?
まぶしい日がさす時刻が来たら
みんなもお正月にごろごろしていたのを恥ずかしがっているのか
なまっている体をほぐすみたいに玄関を出た辺りで
背筋を伸ばして青空を仰ぐ──
雲は山の端にうすく白いもやがたゆたうくらい。
目に飛び込むのは大きく広がったきれいな青い色です。
寒くてもこんな空が待っているのなら
今年一番のいいお天気のような気がして
飛び出していく。
星花はそうだなー、
体を鍛えるのは
一日さぼったら一ヶ月は遅れるといいますから
カンフーの習い事をしていますと胸を張って言えるように
筋肉をつける特訓を去年に続いてやっていこうと思います。
腕にぐっと力を入れたら
家族で五番目くらいになれたらいい力こぶが大きくふくらむ。
お正月の後片付けのお手伝いができる体力は
なるべく残すように頭の隅に置いて
新年の子供たちは
思い思いのほうに駆け出していきたいのです。
風が冷たくたって
なにか面白そうな予感がするほうへ、
明るい日差しが見えたら
たぶんそのうち疲れも忘れて夢中になる気もする
冬休みの街に──
いいお天気に誘われたら急いで出かけると決まっているの。