吹雪

『ライブラリ』
一ページ当たりの文字数などを参考にして
一冊の本を読みきる時間を
おおまかに推測することができるので
本棚に並ぶ本をすべて読むなら
どれだけの時間がかかるか、
書店にある本の場合はどうなのか、
というように考えていくと
人間が多くの本を読み、知識を得る量に
限界があると感じる場合もある、という感覚が
私の中にも存在します。
人が自分の体で体験できないことを
別の形で知る手段の一つだと考えるなら
全ての本を読みきることが難しい以上は
あらゆる知識を自分のものにするのも
とても大変なことなのだろうと思います。
人体に備わった五感で知覚しにくいおばけの存在について
多くの事象をもとに考えていくことも
私には自信をもって進めていける作業ではありませんが
昔の人は、世の中に知られていないものを見るとしたら
情報の入手と処理に正常な働きを期待できない場合があると
推測することもあったようです。
神経の作用とも言い、
人に危害を加えて緊張が高まった者へ
因果の形をとるとか
疲れてまいっているときの混乱状態などと
関係を考えてもいたらしい。
どこまで正確な推測なのか判断するには情報量が足りませんが
熱力学の法則から幽霊を構成するエネルギーを推測しにくいことを考えると
やはり人は幻覚や幻聴を体験しないとは言い切れないのかもしれません。
だとするとヒカル姉がありもしないものを見たとしたら
知らず知らずに疲れがたまっていたり
緊張が高まっているのかも?
寒さが増してくる季節で
みんなのことを気を付けてみるのも
体力が必要になりそうな仕事ですから
私たちも自分たちでできることを見つけていかなければならないのでしょう。
キミは私たち家族から
ヒカル姉のそばで
助けになってくれると信頼されていると思います。
一緒に歩いているだけで
もう不思議な光景を見ることがないとしても
それは理屈が通っていると言えるでしょう。
しかし私も自分の体験や本を読んだ知識で
信頼できる人と歩くのがどれだけ心の安定になるのか
正確なところを充分に知らないのです。
そのため、必ず大丈夫でもう安心、
ヒカル姉を助けてもらえると
確信するに足る素材を
必要なだけ持ってはいないという点が気がかりです。
私がそれを確かめる方法は
いくつか存在しますが
やはりこうなったら
早めに試すのが良いと考えられます。
帰り道に小学校の近くで待ち合わせを
一度試してみるのは非常に貴重な体験になるに違いない。
キミとヒカル姉の都合はどうでしょうか?