立夏

『フューチャースタイル』
うーむ、
まったりとして
しつこくなく
舌に残るかつおだしの
ほのかな味わい。
このお味噌汁はまさしく
春風おねーちゃんの味!
リッカのすきなやつ!
し、信じられない。
これを霙おねーちゃんがお手伝いして
作り上げたなんて!?
まあ、ほとんど春風おねーちゃんが手を貸したそうだけど
食べられるものができたばかりか
それだけじゃなくて
おいしいの!
おだしができあがるのも
おみそを溶かすのも横でアドバイスをするだけで
ちょっとじゃがいもは不揃いだけど
霙おねーちゃんは作り上げた。
はっ、まさか
こちらも少し不揃いのしめじのように見えるものが
その正体こそ実は人におそろしい夢を見せるわるいキノコ、
ということはないか。
てへ。
少し早いハロウィンのいたずら?
それとも実は霙おねーちゃんの体をしているものはすでに!
みたいなこともなさそうで
無限の宇宙の前に
人の可能性も無限大なのだと
わかるようなわからないようなことを言ういつもの霙おねーちゃん。
うーん、リッカおどろいた。
練習すれば
人はなんでも、
そこそこくらいまでならできるものだって
聞いていたけど
不可能を可能にするって
こういうことなんだね。
すごいよ!
やったね、霙おねーちゃん1
今日は記念日だ!
霙おねーちゃんの革命の日
霙革命が起きたんだよ!
って言ってたらマリーちゃんが
そういうドラマティックなセリフは
マリーが言うことにしたいの、
と、うるさいから
二人で言うことにしようね。
霙おねーちゃん!
霙革命が起きたよ!
かっこいい!
ヒューヒュー。
だーいすき!
え?
からかっていないで
リッカもやればできる?
あ、リッカ
用事を思い出したような、
おいしくて食べ過ぎたら
眠くなってきたような
むにゃむにゃ
ぐうー。
ちらっ。
も、もう食べられないーなんて。
ちらっ。
またおいしいお味噌汁つくってね。
ぐーぐー。