『ミノタウロス』
あしたはお休み。
お兄ちゃん、しってる?
お休みの日はおてつだいをして
おつかいについていくの。
よくはれた日や
雨あがりの日、
あつすぎたりさむかったりしない日に
ついていって──
お買いもののおやくにたつと
よい子だったねって
おかしをひとつ買ってもいいことになるときがあるの。
よくはたらいて
たりないおやさいもおこめもわすれない
お買いものじょうずに
たべすぎないようにと
ひとつだけの
いいおしらせ。
さくらはいつも
うわあーいってとびはねて
おかし売りばへ手をつないでいくんだけど
そうしたらいつだって
たくさんたくさんあるおかしをひとつに
決められない──
あわてても、かんがえても
まようばかり。
なみだがでるの。
しかもこのごろ
あきだけの
あたらしいおかしが
売りばにもりもり
ふえるでしょう!
おいもやかぼちゃや
ぶどうやなしや
さくらのすきなものばっかりがならんで
こまるの。
お兄ちゃんも、おてつだいをしたら
おかしかな?
やっぱりいまは
まようでしょ?
それとも──
お兄ちゃんだもの、
いちばんいいのを
すばやく決めて
なきそうなさくらのところに
たすけにきてくれるかもしれないの!
かわいいさくらちゃんが
いちばんすきなのは
これでしょう?
って、いつでもそばで
見つけてくれるお兄ちゃん。
さくらのいちばんのおかしを
えらんだら──
うれしくなるから
かえったとき、はんぶんあげる!
うふふ。
お兄ちゃんにいいおかしをあげるの、うれしいな。
いっしょにたべようね!