星花

『夏が終わります』
長袖のシャツを出して
襟を寄せてボタンを留め、
ちょっぴり背伸びをして
変わり始める葉っぱの色を探したら
それは秋の始まり。
今日はだいぶ押入れのほうへ
薄着に半袖、ミニスカートが運ばれていきましたね。
水着も浮き輪も
水泳帽もゴーグルも
ひよこもイルカも
もうすっかり──
静かな部屋に腰を落ち着けています。
泳ぎが自慢のマーメイドと
まだこれから練習中のマーメイドのたまごが
同じくらいにせいいっぱい
楽しんだ夏が──
耐え切れないくらいのまぶしさや
木漏れ日のきらめきとともに
今日はどこか
私たちの知らない場所へ向かっていく背中を見せるよう。
あんなに汗をかいた季節は
また来年まで出会えないのかもしれないです。
そして!
旬の食べ物が次々と運び込まれ
冷蔵庫が悲鳴を上げ
ここぞとばかりにお姉ちゃんたちが自慢の腕を振るう
なにもかもがおいしいこのごろ。
気をつけないといけないのは
食べすぎと──
急に冷えてくることもある
変わりやすい気温!
小さい子たちが鼻をずるずる
音を立てて
ティッシュを持ち運んでお兄ちゃんを追いかけ
遊んでもらいたがる景色もよく見かけます。
まあ星花も小さい子なんだけど……
まもなく近づく
不意の秋風に首を縮める季節の気配が
もうすぐそこに。
体を大事に変わり行く眺めを楽しんでいきましょうね。
お兄ちゃんも肌寒さを感じたときは
時にティッシュを抱えて追いかけていく星花と
いきなりはじまったりする鬼ごっこなどであったまっていきましょう。
星花はいつでも受けてたちます!
そんな気分のときは
声をかけてね。