『初夏の陽気』
10連休の間
たっぷり汗をかき
尽きない日差しを浴びて
ぐんぐん大きくなった子供たち。
桃色が揺れていたお山が
一面の緑に染まり
庭も花壇も雑草の勢いがすごくて
あたりが草木に侵略されるのと
大きくなった私たちがどうにかして追い返すのと
どちらが先かと話し合う
生い茂る若葉の季節ですが
葉陰とまぶしい朝日のあいだを
元気な姿で歓声を上げて
飛び出していった家族たちを見ていると
きっとどこまでも道を切り開いて
みんなが進んでいく時は
近いようですね。
いつも楽しいことばっかりを見つけ出して
絶えずおなかをすかせていた子たちに
蛍はどうやら激しい連休を駆け抜ける力を作る
ほんのお手伝いなら出来ていたようで──
本当に良かった。
この調子ならみんなすぐに大きくなるだろうけど
ぼんやりお姉ちゃんたちの背中を追いかけていたら
気がつくと体ばかり大きくなって
あまり特技もなくてあせるような、
そんな蛍おねえちゃんみたいには
みんなはならない──
毎日新しい発見に驚かされる日々。
子供たちに教えられるいろんなことほど
私はみんなに何かをしてあげられていたのかなと
あわただしい嵐の毎日がいったん終わりを告げて
こんな時間が久しぶりみたいに
言葉少なに歩く通学路。
これからみんなを待っているのは
どんな日常で──
いったいどんな新しい出会いが押し寄せてくるはじまりに
なるんでしょうね。
あれっ!
なんだか新年度の始まりみたいなことを言ってしまいました。
もう日差しはまぶしく
蛍も一ヶ月前よりは
少しは大きくなったかもしれない
五月が通り過ぎていきます。
走り抜けていく
私の家族を追いかけて
きのうよりも大きな一歩を踏み出せる
まぶしさが──
今日も蛍を暖めてくれますように。