『レッドゾーン』
う!
ぐっ!
ぐはあっ!
やられたぁ──
愛を伝えるために生まれた人をお祝いする日。
おうちの小さな子にもリッカにも
まだよくわからないけど
あたたかい気持ちをくれる人が
みんな愛されていることを教えてあげたくて
かわいい産声をあげた日に
立夏はやられ、
うちのめされ、
胃袋の限界に破れつつある──
のであった。
なんてこと!
本番は明日なのにネ。
つまみぐいと味見だけで
育ち盛りが一人、また一人と
撃ち落されてしまうなんて
いったい明日は
どんなパーティーがはじまるんだか
今から楽しみで
そう思うとぐんぐん
食欲がみなぎってくるね!
あっ──なんだかもう少し入りそうかも。
でも、この若干の余裕は
明日にとっておいたほうがいいのかも。
クリスマスイブはみんなが
一年で一番
大急ぎでお布団に向かう日。
まだ眠くなくても
やりたいことがあっても
子供たちはわくわくしながら
靴下をあと一度だけ確認して──
よしよし、
安心して目を閉じる。
その後どうなるか知っているのは
神様だけか──
もうひとり、愛とかよく知らなくても
みんなで過ごせるクリスマスがうれしくてたまらない子供だけ。
きっと良い子でいられたから大丈夫だと安心して
ぐっすり眠れる子だけが
もう明日の朝の出来事を知っているから
さあ、早くいつものやさしいベッドへ向かおうね。
重いおなかを引きずる力は
夢と期待のみ!
子供は行く。
目を閉じたらすぐ眠れそうなのが
サンタさんを見れなくて少し残念で
そして──
立夏がもらえる最高のプレゼントを見せてあげたら
ぜったい喜んでくれるオニーチャンに報告したい
楽しみな気持ちをいっぱい
軽くはずむステップで運んで──
明日へ進んでいくの。
今日はなんだかいつもよりもよく眠れそうな気分で
お部屋へ急ごうね。