吹雪

『ティンクルスター』
春風姉から日記を預かりました。
吹雪です。
今日も忙しそうな
春風姉を見つけて──
ついさきほど
代わりに書きたいとお願いをしたのが
夕凪姉です。
床に転がり
服を引っ張り
おねだりをしていた夕凪姉から
逃げてきて
私に日記を渡していったので
今日は私が日記の当番と言うことになりそうです。
今度こそ何があっても
どんな予想外の出来事があろうとも
明日は春風姉が書くそうなので
とりあえず伝えておいて欲しいとのことです。
そういえば、数日前に観月が言っていたことがあります。
約束をすると
女という者は強いもの、
その意志は固く
何が起ころうと止めることはできない。
いきなり家に小さな隕石でも落ちてきて
屋根に穴が開き
おどろきすぎたりなどということがない限り──
だそうです。
その時の観月の上には隕石は落ちてこなかったらしくて
マリーと着替えを交換して遊ぶなどの約束を果たしていたようでした。
では私の日記です。
最近、キミに伝えようと考えていたいくつかの話題があります。
この時期、気になるのは──
まずクリスマスのこと。
サンタクロースは私たち家族みんなに
期待しているプレゼントをくれるのか?
パーティーの試作品で日ごとに豪華になるおやつは
いったい明日、何があらわれるのか?
そしてクリスマスの歌で一番楽しいのはどれなのか。
きらきら星の歌は
星がきれいになるこの季節に人気があります。
早い時間に暮れて帰り道の輝きだす一番星。
サンタクロースがトナカイの引くソリに乗って滑る星空。
迷い子を導く牧者が
小さな赤子として世界に降り立ったときに
天に輝いていたひとつの星。
星は今も私たちの上で光を放っています。
キミもクリスマスにはみんなのにぎやかな話し声の中にいて
好きな歌を歌うのでしょうか。
その歌とは
私の知識にある歌なのか
そればかりとは限らないのか──
キミの歌をクリスマスが来るよりも前に知る方法は
いくつか考えられますが
一緒にクリスマスの話をするのが最もよいようです。
歌が得意でなかったり
手先が器用でなくて手伝える範囲が少なくても──
私がこの家に生まれて
今年もクリスマスを迎えるに当たり
家族で集まって準備を進めることで
多様な情報を集める機会を得られるのは
歓迎できることだと考えています。