虹子

『にじこがやってきたぞ!』
にじこです。
きょうはさむくて
みんな、あったかいものがほしいでしょ?
ねんまつだし
クリスマスのじゅんびも
おしょうがつももうすぐ。
はるかおねえちゃんが
おいそがしいから
どうしましょう、
どうしましょう、
ああどうしましょうって
こまっていたから
にじこがにっきを
かきたい
かきたい
かきたいよーうって
おねがいしたの。
はるかおねえちゃんは
あしたこそ
おうじさまににっきをおとどけするわ!
あいしてるって
つたえておいて!
と、たのまれたので
つたえます。
にじこ、おにいちゃんをあいしてる!
あいあいしてる!
それでね
おにいちゃんにおはなしをしたいことが
たくさんあって
あってあってありすぎるの。
みんなのおやつは
きょうは
ころがき!
ころころしているから
ころがき。
しかも
ほしてあるから
ほしがき。
おまけに
あまいから
あまがき。
きっとそうだとおもったら
なんとおどろくよ、
あまがきじゃないんだって!
しぶくてしぶくてこまる
しぶがきなんだって!
うっそー!
あまいのに!
あまくてあまくて
ほっぺたがおちそうなのに!
あまがきじゃないなんて。
どうしてほすと
しぶいしぶがきが
しぶくなくなって
あまくなって
おやつになるのか
ふぶきちゃんがおしえてくれたの。
えーと……
しぶい
タンニン

ほすと
しぶくなくなるの。
ほすのはいいねえ。
にじこもよくほして
ほっかほかの
あまいにじこにしてみよう。
にじ、あまいのはだーいすき。
ちょうすき。
ころがき、おかわりしたいけど
いちにちいっこ!
にじ──
おにいちゃんとたべるのもすき。
だからおにいちゃんとたべるのに
ころがきをすこし
のこしておいたよ。
おにいちゃんがおやつをたべるとき
にじこをよんでね。
ポケットに
しまって──
ここのスカートのポケットに──
ええっ!?
ない!
くいしんぼうにじこ──
おにいちゃんとたべたくて
がまんしたのに
くいしんぼうすぎて
たべてしまったのかも──
ぐすっ
おにいちゃんと
おにいちゃんと
ころころ
ころがきが
たべたいようー
……
あっ、そうだ。
にじこがあそぶと
ポケットがいっぱいになる。
ころがきがすきなにじこが
なかないように
はるかおねえちゃんがあずかってくれたの。
にじこににっきをくれるときに
ころがきをあげたの。
にっきをもっていったらくれるの。
にじこが
にっきをかいて
おにいちゃんによんでもらうと
にじこはおにいちゃんといっしょに
はるかおねえちゃんのところにゆくよ。
ころがきをいただくよ。
にじこのポケットが
かるくなり
あまーいあまーい
はるかおねえちゃんのポケット。
はるかおねえちゃんをよくほしたら
もーっとあまく
すてきなおねえさんになるんだよ。