『ネクスト』
日に日に早くなってゆく夕暮れの時刻と
冷たく変わりはじめた風の気配と──
紅葉がほんのり染まるのと歩調を合わせて
私たちのまわりも本格的な秋の色に染まっていきます。
みんなに用意してあげる暖かな服の準備で
わがやのお母さん役たちは大忙し。
食べ物がおいしい秋を
たくさん届けてあげたいし
運動の季節には
一緒に地元の運動会に参加したりするのもいい。
お庭で練習をしたりしているうちに
日差しはたちまち落ちて
首筋をくすぐるのは夜の先触れ。
まだ遊んでいたいって誰かがわがままを言ったら
すぐに頭の上の一番星が輝く頃になってしまったもの。
お母さんたちは小さくて暖かな手をぎゅっと握って
いつまでも終わらないみたいな一日の話をずっと聞きながら
ゆっくりと家路を辿る。
小さな子たちとみんなで
家に帰ったら会える家族の顔を思い浮かべながら
また、飽きることなく続くに決まっている
素敵な一日分のお土産話を届けてあげるのだと。
昼間の日差しが顔を出すときは
まだまだ暑くて大変かしらって思うけれど
もうすっかり落ち葉の季節です。
どんどん止まらず変化していく私たちの日々──
王子様が新しい季節に向かって進んでいけるように
春風もお手伝いをしたくてたまりません。
時が進むとまわりは
変わっていく景色の色が目を楽しませて
お店にもいよいよ収穫の時期を迎えたおいしいものが並ぶ。
旬の食材が並んで
これからまた迎える次の寒い頃までに
どれだけ楽しめるか悩み事が多すぎる!
相談に乗ってもらいたいし
むしろこういうことは
みんなの同じ悩みを見つけたら
相談相手になってあげるほうが楽しいのかもしれないし──
それに、周りが変わっていくのを実感する毎日にこそ
変わらないものがあることを
あなたには実感して欲しい気持ちになるし──
王子様は永遠に変わらない愛があると
信じてくれますか?
あのやさしくきらきら瞬く遠い星が
ずっと未来の夜に目を閉じて
いつか眠りにつくときも
この地上で何も変わらずにあなたの側にいる人のことを
たまには思い出してみてください。
そして、いつもあなたの隣にいると確かめてくれるだけでもいいので
その瞳を向けてくれるなら
私はいつも同じように愛を伝えたくて──
精一杯の笑顔になるつもりだから。
もしかしたらいつかは、今みたいに伝えきれないともどかしく思わなくてもいいくらい
素敵に微笑んでいられたらと祈りつつ
今と同じようにして過ごす
遠いいつかの──
その日のことを考えます。