『晴れを呼ぶ』
今日もいいお天気。
私たちの家は自信家が多くて
広い空の下に出て行けば
何か目に見えない力で晴れになる！
わけもなくそう思い込んでいる子が
一人や二人ではない。
なぜなのか、と考えると
日本は雨も多いけど晴れている日のほうが多いのと
失敗したことは記憶に残りにくいからよ。
そういう意味では過去を反省して生かそうとする
真面目な氷柱ちゃんや麗ちゃんなんかは
とっても大事な我が家の宝物で
でも都合よく忘れる器用さがなくて
ちょっと損をすることも多いかもしれない。
私にとってみんなが大事なのは当たり前のことだけど
すみっこにこもり、なかなか脳天気な遊びの輪に参加する勇気が出なくて
強がっているような目をしている子は
他の子よりなんだか少し気になって
じっと見つめてしまう。
晴れた日は庭へ、
もっとよく晴れた日は公園へ
その場の元気とか雰囲気とかで行き先を決める
お外が大好きな子たち。
お姉ちゃんたちもお出かけには目がないんだから
これは小さい子たちも
やがては同じく素敵な大人の仲間入りができそうと期待大ね！
少し強引なお誘いはあるけれど
まだこの子たちにとっては
世界も大きく広がる前の巣の中。
遊び相手も選んでいられないのに
それでいてパワーはどんな大人だってかなわないすさまじさなんだから
休日はなるべく私たちが遊んであげたいなって
突然の無理なデートの予定にもあわせてくれる子が
春の気持ちのいい暖かさの中をぞろぞろ。
用事があると家の中にこもっているのに飽きた子たちまで
追いかけっこをして遊んでいるその横で
のんびり日向ぼっこをする子もちらほら。
気持ちよく公園を駆け回る姿をうれしそうに見送りながら
思い切り良く混ざっていかないのは
まだ帰ったときにすることがあって体力温存が優先なのかな。
それともちょっとタイミングを逃して
言い出すのが恥ずかしいだけだったりして。
そんな不器用なこともたまにはありそうな
私の姉妹の──格別にかわいい妹たち。
遊びの輪を離れて
そこにさりげなくお姉ちゃんがあらわれて
かまってあげたい大事な私の守るものなんだと
教えてあげなくっちゃ
せっかくすっきり晴れた空に悪いような気がしてくるの！
臆病になることがあったって
きっとすごい力を隠そうとして
上手に隠しきれていないこと──
わかっているんだと
そんなふうなことを伝えたら
何をわかったようなことをって顔をするの。
かわいいよね。
暖かな休日のお楽しみは
公園の端のほうの
ときどき木陰になったり冷たい風が吹く場所でもよく見つかるよ。
そんな時間を
お姉ちゃんはしばらく手放すつもりはありません。
