星花

『閉幕』
世界に挑んだ選手のみなさん、お疲れ様でした。
テレビを見ているだけでも
積み重ねてきた練習、本番に望む緊張感──
私たちにはわからない大変なことがたくさんあったと思います。
全ての競技を見ることはできないけど
見ているだけでひきつけられて、目が離せなくなってしまう
真剣な姿。
手に汗握る戦い。
毎日、次の競技が楽しみになるくらい
私たちも盛り上がっていって──
素敵な時間をどうもありがとうございました。
ウインタースポーツに詳しくない私では
今の気持ちを表す言葉が出てこなくて
こういう言い方でいいのか迷ってしまうのですけど──
とっても面白かったです。
オリンピックが楽しかったです!
影響を受けて
お兄ちゃんにスケートに行こうって約束している子もいます。
星花もけっこうおねだりをしてついていってしまうかもしれません。
そして、これからパラリンピックに参加するみなさん。
私たちの声援が、どこまで力になれるかわかりませんが
がんばってください!
全力を発揮できるよう祈ることしかできないけど
私たちのところに素晴らしい競技のニュースが届くのを
楽しみにして待っています。
長かったようで
夢中になってみていたら、あっという間に終わってしまったような気分。
選手の人たちもそうなのでしょうか。
どうか、元気に帰ってきて
ゆっくりしてくれたらと願っています。
星花には想像ができない大きな舞台のあとですが
家族やお友達と過ごしてもらえたらなと。
たぶん私だったらそうしたくなるかなと思っただけですけど……
スポーツの世界は厳しいものだと
とても世界レベルで戦ったことがない私たちでも知っています。
戦いには必ず勝利と敗北があるということ。
たとえ全力を尽くして
自分のベストを出しきっても
さらに上を行く相手がいるくやしさ。
泣きそうにも、うずくまってしまいそうにもなる気持ちは
誰にでも経験があるもので──
そのうえさらに
緊張で体が震えたりしながら
本気を出しきれなかったときのつらさだって知っています。
応援している人たちが
ぴんと背筋を伸ばして競技へ向き合う姿に
自分を重ねていたりもして……
だからきっと
この大会で大きな舞台に立つまでの間に
いったいどれほど、数え切れないほど大変なことがあったとしても
時には笑顔で、時には緊張も伝わってくるような状況で
堂々と戦いぬいた選手たちの姿が
胸を打つのかもしれないです。
同じ場所でなくても戦いに挑んだ経験を思い出すことが
見る人の心を動かしているなら──
おうちのお姉ちゃんたちは勝手なことを言って
次は星花ちゃんたちやいつも一生懸命なみんなの姿で
いっぱいうれしくなるんだーって
軽い調子なの。
困ったものですね!
オリンピックと星花たちの毎日のわりと普通な戦いはぜんぜん違うのに。
ともあれ、興奮の残り火のようなものを抱えて
明日からは学校が始まる月曜日。
とりあえず、自分もちょっとは背筋を伸ばして毎日を過ごせるように──
宿題をきちんと済ませることが小学生の日常の始まり。
たくさんの活躍した人たちの住む世界にある
かっこいいお兄さんやお姉さんたちのふるさとである日本の
ひとつの街に住んでいる
小さなふつうの
とくにちっとも名前を知られていない女の子。
今できることは少なくても
大好きなお兄ちゃんに恥ずかしくない子になれるようにと
まずはそこから歩き出して──
明日もがんばっていけたらと思います。