ヒカル

『戦いの時』
人生は長いようで短く、
短いと思ったら長いから。
まだ全然人生の何たるかを知らない
ひよっこの私にわかることと言ったら
人間、生きていたら
勝ち目があろうとなかろうと
必ず立ち向かわなければならない戦いがあるということ。
逃げることは許されない、というか
本当は別に逃げたって何も悪くなんてないかもしれないが
でも私の中の説明できない何かが
逃げちゃいけないって言ってる
そういう瞬間が──
誰にでもきっとあるのだと
そう聞いている。
だから私だけの感情ではないだろうし
もしかしたら、これが最初で最後になるとは限らない。
相手が強いかどうかなんて
何にも考えずに
自分の行動を決めるとき。
たとえ
先延ばしにしようとしても。
また、あるいは
ついうっかり忘れて
今からでも大丈夫なのかと不安だったとしても。
都合のいいことに三連休がある。
だから私は──
手先の不器用さと大雑把さに自信があっても
そんなことは関係なく
やらなくちゃと思うんだ。
まわりのみんなは応援してくれたり
どういう風の吹き回しだろうって冷やかしたりする。
同じ目的を持つ仲間がいることは心強くて
助けてくれる人がいるのはとてもうれしい。
ありがとう、みんな──
こんなににぎやかな時間を過ごすことができて私は幸せ者だ。
だけど私は
もしも誰にも頼れず、どんな邪魔が入ろうとも
今と全く同じ気持ちで
やりとげようとそれしか考えていないに違いない。
まったく……
確かに、どうして今年に限って
こんなにやる気になったんだろうな?
自分でもわからない。
でも、そろそろ
苦手なことから逃げてばかりじゃいけないと
励ましてくれる何かが
胸の中に芽を出して、恥ずかしそうに葉を広げはじめたという
たぶんそんな感じの理由じゃないだろうか。
なんだか向き合って
好きな気持ちを明らかにしながら
贈り物を渡すということに
いつも照れてばっかりいたから。
それじゃあいけないような気がしてきた。
そう、私はどう考えてもオマエが好きなんだ。
大事な家族だから当たり前だもんな。
だから今年はそろそろはっきり
目を逸らさないでチョコレートを渡せるようにならなくちゃ。
そんなにすぐに上手にお菓子が作れるはずはないけれど
それでも自分の精一杯を出したと
せめて、うつむかないで胸を張ることができたなら。
やる気になったからって
すぐにできるかどうかは誰もわからないけどね。
がんばってみようかなって思うのは
決して悪いことじゃない。
笑われても、失敗してもだ。
それは私がずっと前から決めていたこと。
そして、今はつい最近決めたことをやりとげたいって思ってる。
まとめるとそれだけの、簡単な話だ。
相手がいることなのに自分ひとりで盛り上がっているのは変だな。
まあいいか。
今年のオマエは待っているのが役目だ。
何も心配しないで当日はおなかを減らしておいて。
びっくりさせてやるからな!