星花

『私が作ります──?』
ありったけのチョコレート。
トン、トン、トン。
さらにおまけに──
どってんばったん。
つるっころっどろっ
しゅん。
という感じが続く
最近の家族の話題はといえば。
寒いと困りますねぇ
だったり
いちばんかわいい衣装とカバーガールの候補とは!?
だったり
今日もキッチンのほうから届く壮絶な音だったり
するわけです。
帰ってきたお姉ちゃんたちの第一声が
なんだなんだ?
なにごと?
だったりするの。
でもこうして、おかえりなさいの相手が
自然とキッチンの様子を覗いていくようになると
帰ってきたのがすぐわかるから。
手を洗って着替えている間に準備を整えて
はい、寒空の下で冷えていたらどうぞと
暖かい飲み物が用意してあったりするので
そこはいいかもしれません!
おやつを口に運ぶ星花の内側ではこっそり
もごもごおかえりなさいを言いながら
キッチンのお姉ちゃんたちの手元を見て
出てくる飲み物を予想したりする
ちょっと面白いゲームを始まることになります。
このゲームが
いつか役に立つようになる時が来るとしたら──
たまたま帰ってきた家族がいたときに
キッチンに立ちエプロンを着ているのが星花だけだった!
なんて事態が突然降ってきたとき──
なんだけど。
もうしばらくはお菓子作りが好きな子の集まりと
甘いつまみぐいが好きな子の集まり、
にぎやかなのが好きなだけでやってくるみんなの集まりから
急に人がいなくなったりはなさそうです。
いつか、もしも星花が
なぜか一人でいるその理由は脇においといてキッチンで待っていたとして
このごろハッピーバレンタインの練習で
試作品の上に甘い味の文字で並べる
簡単なマークや
耳の生えた生き物、くちばしのある生き物、
名札に書くのとおんなじ自分の名前を
そっと差し出す暖かく湯気ののぼる
一杯のコーヒーの上に乗せることができたら……
そういうの、おしゃれな感じがしますね。
エプロンの模様の子供っぽさなんかも脇においといて
さあどうぞ召し上げれの声も
いつもより大きくしちゃったりして!
と、ラテアートは今の星花だと想像だけなのですが。
チョコレートの上の文字なら
手作りがうまくいったら追加で愛情もう一つ乗せの作業で
現実にできるのかもしれないの。
どうでしょう?
いい感じの上手なお祝いと
一目で誰の手作りなのかがわかってしまうサイン。
ひとつ豪華になった感がなくもないかも?
おいしいよと描いてあるのと同じくらい
少し実績があって
冬の冷え込みがちな気持ちと胃袋を応援できる名前だったら
さらにいいのですが。
これからバレンタインまでのお手伝いでは間に合わないかもしれないですね。
今日の星花のお役目は
お鍋の白菜をひとくち大に切る作業がありました!
大きすぎたらごめんね、お兄ちゃん。