綿雪

『節分』
2月3日は節分の日。
昔の暦では
年が新しく変わる、その前日。
明日からは春が私たちのおうちにも
やって来るということになります!
それが理由なのかな?
ふだんよりも今日は暖かくて
それほど本当の春みたいに太陽がぽかぽかでもないのに
過ごしやすいような気がするの。
あっ、でもまだ油断はできないですね。
まだまだ風邪を引いてはいけないから
おまめを食べたり、栄養のあるものを食べたり
健康を願ったりするのです。
どこもかしこも今日は節分。
まだ雪が厚く積もる遠い街も
春の足音が聞こえ始める南のほうも
雪溶け残る小さなこの街も
福を願う節分を迎えます。
まめをまくのは
大騒ぎの子供たち。
みんな、自分がいちばん鬼を追い払うのが上手で
福を呼ぶのがいちばん上手だって比べるみたいに
手を休めず声をあげます。
豆まきチームの後ろをちょこちょこついていく
豆まきが上手じゃないユキ。
思い切って腕を振ってみても
なぜか足元におまめは落ちてくる。
これでは悲鳴をあげて逃げていく
ヒカルお姉ちゃん……じゃなかった、怖い鬼を
うまく追い払えません。
どうしよう……
だけど氷柱お姉ちゃんは
みんなの幸せを呼びたい気持ちに
上手も下手もないんだから
ユキが立派に節分のお仕事ができたと褒めてくれるの。
こんなすごいおまめに
逃げていかないような
わるいわるい鬼がいるわけがない、
もしいたとしてもお姉ちゃんがやっつけてやるって
大張り切り。
やっぱり氷柱お姉ちゃんはすごい!
強い鬼にも負けないだなんて!
立夏お姉ちゃんは鬼みたいに強いって笑っているけれど
ひどーい!
だけど本当に
ユキの自慢のお姉ちゃんは
鬼なんてぜんぜん相手にならないほど強いんです。
あれっ? もしかしておまめをまいてもまかなくても
氷柱お姉ちゃんの強さは変わらないのでは?
なんちゃって。
お兄ちゃん、豆まきのあとは
年の数だけ食べて健康を願うんですよ。
これで誰も病気に負けなくなる。
食べる数にもいろんな言い伝えがあるそうなのだけど
幸せを願う気持ちに変わりはないのだから
どれもきっと正解、だったらいいなあと思います。
せいいっぱい福を願って
一生懸命のあとのおなかにすこし足りない時には
明日から変わる新しい春、ひとつ年を重ねるぶん
もうひとつ多く食べるという
昔の古いルールを採用してもいいかもしれないです。