虹子

『とくべつデイ』
ゆきだよ!
ゆきゆき。
にじこのおうちのまわりのおそとが
どこまでもせかいのはてまで
まっしろ。
ゆきがだいすきよ。
だいだい
だいすき。
おにわがしろくて
きれいなのと
さらさらしてるのが
いいところなの。
てがつめたくて
てぶくろのなかが
ひえひえのあかあかなてになるけれど
つめたかったらおにいちゃんが
すぐあたためてくれるから
つめたいのもゆきのよさ。
ほーら
てぶくろがぬれちゃった。
なげたり
すくったり
ほっぺにあてたり
しているからだ。
にじこのてがつめたいときに
おにいちゃんはやさしいの。
にじこは、おにいちゃんのいもうと
にねんせい。
うまれたときには
このせかいのどこかにおにいちゃんがいた
いもうとっこ。
おにいちゃんは
にじこのおにいちゃん
なんねんせい?
じゅう──ご、ろく、なな
ねんせい。
それともやっぱり
にじこがうまれるのをまっていた
にねんせい?
それなら、おそろいね!
じゃあ、そういうことにしておきます。
うー
さむいさむい。
ゆきがふっておおよろこびをしていたら
てがつめたいの。
うれしいよーって
しっぽをふってはしっていても
ただ、しっぽをふっていたつもりだけで
いぬではないのをわすれていたから
はー
つめたっ!
いもうとにねんせいのにじこは
あたためてねって
すてきにいえるでしょうか。
おにいちゃんなんねんせいのおにいちゃんは
おねがいがしたいいもうとを
じょうずにリードできるかな。
あのね、
ゆきがふって
とーってもたのしいよ。
おにいちゃんはたのしい?
おててがつめたくなったら
あたためてもらうといいの!
にじこのてを
おにいちゃんがあたためてね。
おにいちゃんのては
それじゃあ
それってもしかして
あたためるのは
にじこだね!
つめたいゆきのこな
さらさらながれて
あたまもかたもまっしろ。
それなら
てをつないであたたまろうね。