星花

『朝は早起き』
小学生の子もお姉さんも
朝は忙しい。
休日ならゆっくりおちゃわんにもう一杯、
うめぼしひとつでごはんがぱくぱくいけますと
余裕のある時間も取れるけど
学校が始まるとどうしてもそうはいかない。
靴下を選んだり、引っ張り合ったり
かばんの横に置いた帽子が消えた!
誰か持っていった!?
考えたら、ゆうべから後にしようと思ってそれきりで
最初から持ってきていなかったりと
ほこりをたてて走り回っていたら
あっという間に家を出る時刻になるの。
出かける直前は食卓の上の玉子焼きも焼き鮭も消えていて
納豆と、のりのつくだにしか残っていないでしょう?
そろそろ時間だなぁってお皿を片付けて
遠くにあるお昼の給食のことを考えていると
ついに日常が始まったという実感が
そろそろ暖かく芽を出してきた感じがしてくるの。
でも、落ち着いて好きなものを食べられる朝ごはんが
次のお休みまで待たないといけないかというと
実はそうではないんだと吹雪ちゃんが発見したみたいなんです。
その方法は
なんと!
家族で一番でなくてもいいから
早く起きて朝ごはんのお手伝いをすること。
食べるのがゆっくりの小雨お姉ちゃんがそうしていると
今までの冬休みの朝との違和感からわかった!
昨日までは小さい子についていてあげて
食べ終わるのが一番最後だった小雨お姉ちゃんが
学校の用意を確認するまでできるんです。
なるほど、早起きの工夫があったんですね。
すると今日は星花も
久しぶりの学校でいっぱい遊んで帰ってくるから
ベッドには言ってたちまち夢に落ち
いつもよりもぐっすり眠れるのかも!
そんな希望に満ちてのりのつくだにをしまうのを手伝う朝。
ところが無慈悲に燃える夕焼けが告げた真実は
帰ってきてこたつに潜り込んだ星花は
ついそのまま眠ってしまい
これでは夜もそんなにすぐ眠れません――ということだったの。
そ、そんなあ――
そこでお兄ちゃん、協力してくれますか!
星花の朝から始まる元気のため。
夕方で眠くなってもお兄ちゃんが早く帰ってきてくれたら
遊びたくて起き出すと思うんだけど――
どうですか?
やっぱり予定とかあって難しい?
もしお願いを聞いてもらえるなら
一緒に朝ごはんを食べるときに
早起きした星花の作る玉子焼きをあげる!
ちょっと甘いのが好きな星花の味。
ほっとするふわふわの味は
いろんなメニューを制覇したい人の一品に
お役に立てそうな気がします。