青空

『やんやん』
とらないでー。
おなまえがあるのは
ひとのもの。
ないのは
だれかのもの。
はじめにみつけたひとが
もらっちゃう。
おしいれもぐって
みつける
これは
はるかのもの。
みはるのもの。
えほん。
えほんは──
えほんのもの。
おなまえがないから
ゆうなのものになって
ゆきにあげるって
ゆきのものになった
えほん。
そのつぎ
そらがみつけた
こばこ
そらのもの!
こいし
そらのもの!
なふだ
みぞれのもの!
みぞれーって
かいてあるという
おはなしをきいたの。
みんながかこんで
みぞれ!
みぞれ!
おなまえがあるから
みぞれちゃんのものだー、
みんなでとどけた。
みぞれが
よくみて
まんとに
なふだをつけて
よし!
みぞれのなまえをつけたから
これでみぞれだと
みんなにわかるぞ!
やったぞー!
ありがとう!
だって。
よかった
よかった。
こばこにそらのおなまえをかこう。
まる、まる。
もうひとつ
まる。
ちょん。
なんか
ちがう──
そらのおなまえじゃない!
おにいちゃんよんで
そらのおなまえをかこう。
おにいちゃんのおなまえもかいて
だれのもの?
おにいちゃんには
まだ、なふだがついていないの。
はじめにみつけた
だれかのもの!
そらのおなまえかいちゃおう。
やってきたつららが
あら、いいわねー
とかね
いらないから
すてようねー
なんてね
とってっちゃうの。
だめでしょ。
みつけたそらのもの!
なまえをかこう。
つららに
おにいちゃんに
そらのもの。
おやつに
そらのもの。
あれー!?
おやつがきえた?
そらの
おなかのもの。
とられちゃった。