『あまくせつなく』
はあぁ……
だめに
なるぅ……
とける……
霙ちゃんのお誘いで
たまに意識して骨休めの時間を作るのも
豊かな生活、と。
何も蛍は貧相な生活はしていないんですが
でも、いろんな意見があっての家族。
必要としている人、
そうでない人がいる
こたつ。
どちらの意見もあって当然のもの。
嫌いというより
必要がないだけなんですよって
こたつ布団をめくって入ると。
あたたかいですね。
そういえば、どうして蛍は
小さい頃からこたつに入らなかったんだっけ?
遊んだりママやお姉ちゃんたちを追いかけたり
ちょっと時間がなかっただけの理由なのかな。
こたつがそんなにいい物だとしたら、教えてくれた霙ちゃんは
いい人というか──
遊び相手が欲しかっただけみたいです。
それにしても
こんなにほっこりできる気持ちになるなんて
いつのまにか疲れていたのでしょうか。
体がお休みを求めているような気がしてきて──
だんだんそのまま──
あの──
ここは──
近づいてはならない
危険な場所のような気がします!
まだお風呂のお掃除もせず
たたみかけの洗濯物もそのままなのに
体が言うことを聞かないんです。
このままでは夕方の特売を逃してしまう。
う、うそ──
蛍の毎日の楽しみが
なぜか早く進む時計と一緒に
目を閉じた隙に急いで通り過ぎていく。
でもそれでいい気がしてくる。
お兄ちゃんが帰ってきたら
だめだと教えてあげなくちゃ……
こっちに来ると
蛍みたいに
とろとろになります。
えっ?
かまわない?
寒いから仕方がない……
霙ちゃんがささやくの。
そ、そうなのかな。
寒いときは
あったかい飲み物と
こたつ。
体が温まる栄養のあるごはんと
こたつ。
厚着をしようと、しまい込んでいた服を取り出して
こたつ……
見れば大人のも子供のも脱ぎ散らかした服で
こたつが包囲されている……
たたむの……
蛍が……たたむ……
今まで一生懸命だったから
適度なお休みも……大事で……
こたつ……
お兄ちゃん……
こっちは……だめ……です。
ああ、なんだか暖かくて寄りかかれる人が
隣に入ってきたような……
ホタ、日頃はこんなに甘えていないの。
したくても……
恥ずかしいからだめです。
眠くなって、もたれて体重をかけたりなんてしない……です。
むにゃむにゃ。