青空

『まっくら』
おひさまのしたを
そらがはしるよ。
おほしさまのしたを
そらがはしるよ。
くらいくらいよる。
まっくらいよる。
よるははやくくるの。
さっき、そうなったの。
さっき……このまえ!
ふゆ!
そらはいま
くらいところでよくはしる。
あのねー
はれてるのがみじかいと
くらいよるがながいんだって。
なんで?
そら、こまるよ。
くらいとねー
はしっちゃだめなの。
ころぶの。
ころんでおきて
げらげらわらう。
そらがころんだー!
おにいちゃん、そらがころんだよ!
わっはっは。
おもしろいでしょう。
でもね
ころんだら
そらがけがして
みんながないちゃうから
ころんだらだめ。
くらいところで
はしらない。
はい。
そら、はれてても
よくころぶよ?
いきなりはしるから
いつだってころぶよ!
おもしろいね。
なんではしるの?
そら、はしるの?
たのしいから。
げんきだから。
ころんでもちっともなかなくて
こわいことをちっともしらないから。
はしっていったら
おにいちゃんがどこかにいるから
なの。
そうなの!
そらにはおにいちゃんがいるからねえ
はしっていって
よくころび
あそんでもらうよ。
はれたひは
まっすぐはしっていくから
すぐつく!
ときどきは、すぐつかない。
そらがおにいちゃんをみつけない。
さがしてどっかいっちゃう。
くらいよるのひは
おにいちゃんがみえないない。
どこどこ?
でも、どこかにいるよ。
そらにはおにいちゃんがいるんだもん。
はしっていれば
そのうちぶつかるよ!
そら、またどっかいっちゃうけど
おにいちゃんもどっかにいるからね。
ほらね、だからそらははしるでしょ。
おにいちゃんのこえがすれば
すぐわかって、そっちにいく!
よんで!
どこからよんでも、すぐそらがいく!
とおくからよんでもわかるよ。
おにいちゃんのそらだからね。
よるのはやいふゆがきて
くらいふゆにはくおくつは
よるのいろのあおいおくつ。
そらのあしに
よくあうおくつがある。
おくつがあるから
はしれはしれ、どっかへはしれ。
なんにもみえないで
ころんで
おこられてはしれ!
そらがわらってる。
ふゆはよるになって
はれるとき
なんにもみえないくらいよる
そら
おねえちゃんみたいに、さむいですかーってきいてみたくて
たのしいねえって
はしっているよ。