さくら

りっかちゃんをおこらないで』
うわーん!
りっかちゃんはわるくないの!
さくらがいけないの!
だって、さくらが……
さくらが……
さくらが何もかも
おこられるもとなんです!
ほんとうにそうなの。
つくりかけのケーキをほったらかしにして
おやつを食べるみんなをあつめにいったのは、うん……
りっかちゃんだったけど。
つららちゃんがいってた……
こういうまちがいをしたのは、
とちゅうまでうまくいったから
ちょうしにのったんだって!
おりょうりは
めをはなしたら
あぶないのに!
よくかんがえなさい
おちょうしもの!
でも、でも
さくらがめちゃくちゃ
おおよろこびをしたから……
りっかちゃんがうれしくなったんだとおもうよ。
おうちのかぞくで
ケーキを見ていちばんよろこぶのはさくら。
だれよりにこにこして
たのしいきもちでおそらまでとびそうで
そんなさくらのよろこびに
みんなはかてないよー、だって。
あさでもひるでもねるまえも
ケーキでうれしいさくらよりうれしがるものはない。
りっかちゃんもさくらにまけてしまった……
ほら!
さくらがわるい。
それに、りっかちゃんがいなくなったら
がまんができなくて
クリームをいっぱいべろべろなめてしまったのも
さくらがいちばんいけなかったんだし
りっかちゃんのケーキが
おいしそうだったよ、
たべたいよ
たべたいよーって
しつこくおねだりをしたのもさくらだったの!
ごめんなさい!
わるいさくらは
みんなといっしょに
うれしいねーってたべたいよ!
おいしいと、一人じゃいやなの。
とか、
おねだりばっかりしたら
りっかちゃんがまったくそのとおりだーって
とびはねながらはしっていくようになったのも
さくらがそんなことをいってしまったから……
ごめんね。
りっかちゃん。
今からさくらがおこられます。
りっかちゃんはだれにもおしりをたたかれたりなんてしない。
こわくておもらしもしない。
だから……
こんなさくらがいつのひか
よいこにしていたときに
とてもよろこぶケーキを食べさせてあげてね。