吹雪

『万全の準備』
今日は暖かい日差しの当たる日でした。
日に日に厚着を重ねるようになった家族のみんなも
太陽光で体温を調節するのが楽しいと、そのようなことを言って
積極的に庭へ出てきて、遊んでいます。
でもこれは、気温の上昇が貴重になったことも意味している。
夕方になって風が吹いたら
たちまち誰もが家の中に戻っていく、
それが当たり前の季節となりました。
今の季節は
家の中も外も乾燥している関係上、
意識をして湿度を調節している部屋の中のほうが
過ごしやすいのは確かなことです。
しかし、よく暖房が効いていると
つい眠ってしまったりして
寒さとはまた別の形から体調を崩す原因となります。
どうも観察していると
不安を感じる状況はかなり頻繁に見つかるのですが
これは大丈夫なのでしょうか。
暖かい部屋にいるだけだからといっても
おなかを出して油断している場合も多いのです。
運動をして強い体を作ったからといって
健康管理を個体差に頼るにも限度はあると思います。
寒さへの対応も様々で、
部屋がなるべく暖かいほうが良かったり
よく動いてほかほかだから
暖房はその都度スイッチを操作するのが適当だとする子もいる。
日なたに出たら一枚脱いで
そのまま置き忘れるのが自然な状況となっている一方で、
誰かが寒そうにしていないか気にかけて
小さい子の上着を持ち様子を見ながらそわそわ歩く姉もいる。
くしゃみをする子にかけてあげたら
サイズが合わなくて──
慌てる姿も見かけるし、大きくなったと自慢する声もよく聞こえてくる。
外の寒さから逃げ帰ってきた後も
こたつに急ぐ子、
温かい飲み物を作る子、
もっと芯から体を温めるための
おなかに入れるお料理のお手伝いが好きで
今は特別に夢中になっている様子の子など
これほどのも動きがバラバラになるものなのでしょうか。
もっと寒さが増すと、今よりもさらに行動が
多様になっていくと予想できます。
それでもどうやらお互いが気をつけて
家族の全員が元気で毎日を過ごしたいと
目的は全く同じであるように見える。
私が一人でいると
こたつに引っ張りこもうとしてきたり
隣にいて静かに本を読み始める場合もあって
防寒の一点だけに絞っても
どのような行動をとるか、そもそもどのような環境が
私たちの全員にとって最適であるのか
いまだに確認できないままです。
未来を予測しながらの充分な準備というのは難しいものです。
本当なら私も、毎日元気で遊んでいるから風邪には縁がないのだと
そんな根拠のない説を信じられたら良いのですが。