さくら

『さくらのはな』
おはながひらくと
たねがでる。
たねをまいたら
おはながひらく。
おそらにひらいたさくらのおはなに
はっぱのみどりがまじりだすと
おんなのこのさくらはかだんにゆくの。
スコップをもって
たねをもつ。
あなをほって
またほって
もうひとつほって
うたいながらほって
ひとつのあなに
たねをひとつ。
こうすると
はなはさくのです。
なのはながひらいたとなりに
こんどは
ひまわりがさくんだよ。
あめがふり
ねをのばし
やがて、ちょこんととびでるみどり。
すぐだよねって
はるかおねえちゃんはおしえてくれました。
だけど
さくら、ほんとうはしってるの。
ぜんぜん
すぐじゃないの。
ばんごはんのまえに
ちょっとみても
でてなかった。
まいにちなんども
みにいっても
すぐおはなはさかないのよ。
はやく
でてきなさい。
さくらがまっているよ。
かぜがふいて
とんでいってしまったおはなのたねは
どこかではなになる。
さくらのしらない
とおいばしょで
ひまわりがさいて
おひさまのほうをむいてまわるの。
きれいかな?
かっこいいかな?
それはさくらがしらないおはな。
さくらのおはなと
どっちがはやくひらく?
きれいなのは
こっちかな。
あいじょういっぱいにそだつのは
こっちのかだんのおはなかな。
おみずあげる!
おおきくて
きれいになってね。
さくらのおみずは
とおくのおはながしらないよ。
はやくさけ!
もっとさけ!
ごかいも
じゅっかいもさいてください。
さくらのかだんは
さくらがみている
ちょっとちがうかだん。
おはなのきせつに
つぎのたねをまいたかだん。
いちばんきれいにひらいてね。
さくらのおみずやり
あんまりじょうずじゃないけど……
きれいにひらいたらうれしいの。
せかいでいちばん
よろこぶさくらが
おはなのまわりでとびまわるよ。
それは
たぶん、つぎのきせつ。
みんなでみつめたかだんのところ。
ひまがあったらいつでもみにいく!
だから
おねがいね。