真璃

フロレアール
最近はプレミアムフライデーという
便利な仕組みが流行るらしいなんて噂だけど
お仕事をする人にはいいとして
マリーの愛する人たちが学校から帰ってくる時間が変わらないというのは
どうも惜しいところで気が利かないようだわ。
かわいいマリーの天使のキスは
情熱の行く先をいつも探してさまよっているというのに。
おかえりのときに一足早く差し上げることもできないなんて。
目の付け所はいいのにね。
おうちでいい子に帰りを待っているしかない
かわいらしい時期を過ごしたことがない人なんていないと思うし
意外と忘れられがちなのよね。
もどかしいマリーの立場。
今まで普通すぎてたいしてときめかなかったカレンダーの日付に
何か新しい刺激が生まれるのはいいと思うの。
フランス革命
ドラマティックなだけじゃなくて
新しい暦を作ってみようとしたり
けっこう野心的でワイルドなの。
畑を耕しやすくする工夫を考えようとしたらしいのは
目のつけどころはよかったんだけど。
畑のお仕事は大事だもの、
花が咲いて実がついて
人を笑顔にする一番の源だわ。
マリーはそんなお仕事の時に口ずさむ歌も
ちょっと武骨なお料理も好き。
だけど結局その時はわかりにくい暦になってしまったんだって。
今では歴史を伝える遺産の一つでしかなくても
挑戦をしてみるのはいいことだから
マリーはそれを悲しいことだとは思わないようにしたいわ。
かつて昔
挑戦した人がいたことをマリーは忘れないのだから。
どれほど遠い過去なのか知らないけど
今はすっかりたくさんのマリーの姉妹も
その頃には一人くらいは生まれていたのかしら?
まあ大人の人も暦でときめきたいのでしょう。
だからマリーが提案して
小さい子たちで知恵を寄せ合い、新しい暦を作ったわ。
使ってくれる?
フェルゼンは朝起きたらすぐ
家族のみんなに実は意外とかわいい天使のキスを配ることから始めないと
次の時間に進めないんだけど
まあそのくらいは全然余裕に決まっているわよね。
元気とときめきと
ちょっとのスパイスを届けるために生まれた新しい暦よ。
名前はフェルゼンがつけてあげてね。