吹雪

『アナライズ』
見つけることがあると
ときどきメモ用紙に書き込み
覚えておくもの。
たとえば
好きな食べ物、
嫌いな食べ物などは
細かく刻んで食べてもらうときなど
同じテーブルについて眺めていると
気がつかないで食べているらしい──そんな観察を重ねて
いつのまにか覚えています。
だけどそこまで気にする機会がない
好きな色や
好きな数字などは
行動を左右する重要性があまり高くないこともあって
記録しておかなければ残らないと思っていても
どこかに埋もれている場合が多く
好きな遊びは
一緒に遊んでようやく覚えたと思ったら
短いサイクルで次々と変わっていく。
メモ帳の文字を小さく書いて見やすくしたつもりが
余白に書き込みが増えて
参照が困難になってしまう、
そういうこともあり
備忘録の整理整頓は
時間がかかる作業ではあるけれど
定期的に続けておかなければならない。
そのために
みんなの目に触れる場合も多くなり
役に立つ情報と、そうでない情報は
必要になるときまでは区別がつかない前提を置き去りにして
みんなの好みに関わる
新しい有用な情報を入手したと考える姉たちが
赤い顔で興奮して話をしたり
詳しい内容を知ろうとする。
すると困ったことに
私が記録を残すという前提で
コーヒーに入れる砂糖を一つ減らして
こちらをちらちら気にしたり
場合によっては、はっきりと記録を要求し
腕相撲で負け続けても
一度だけ気力でもぎ取った勝利を
永遠に残しておいてほしいと願う。
記憶媒体が紙である間は
形を留めているのは有限の期間でしかなく
参照の機会が多い情報でなければ
紙束に埋もれて取り出すのは難しくなる。
そのような事情で
私がいつもはっきりした目的を想定しないままで続けている作業は
明らかにみんなの役に立ったと言える状況は
これまでに一度も存在しません。
ただ、眺めるのが楽しいだけで
同じ体験をするかのように
メモを片付けている私の横にやって来て
ちょっと声を出してのそきこむ人が
ときどきいるというだけの話です。
今日は氷柱姉がメモを見つめて
いくつかの質問の後
色分けの方法など、片付けのアドバイスもしてくれました。
すぐに役に立つわけではないと理解してくれた上で
好意的な視点を持ってくれる人は
とても貴重だと経験で理解していることもあり
また、おそらく、そのような過去の事情がなくても私は喜ぶであろう
うれしいことなのだと思います。