『ラブレター』
あと一ヶ月もしないうちに
バレンタインデーが訪れます。
時間は24日ほどです。
年が明けてから今日までを
あっという間だったと感じる場合は
そろそろ腰が落ち着かなくて
支度をはじめるのだと聞きました。
一方で、毎日の予定を立てて
計画通りに過ごしているならば
現時点で焦点を合わせる行事は節分ということになり
それが終わってから準備をしても
遅くはないと考えているのだとか。
学校でも何度か話題に出てくるようになりました。
私たちは小学生低学年だから
親公認で親しい相手にチョコレートを用意する場合を除けば
いったいバレンタインとは何が起こるのだろうと
そこから疑問がはじまるようです。
交際をしている人を
同年代で見たことがないため
歳の離れたきょうだいや家族の毎年の活動が
はたして参考になるのかどうか
意見を集めて検討している段階になります。
ひとつの提案として
お菓子を前提に置き
贈り物とするには早い年齢であり
友人同士でお菓子を持ち寄る会を開催してはどうだろうか、
と話しています。
私たちの年齢でもらえるおこづかいで
あまり多くのお菓子を用意することはできないから
今のうちから考えて貯金をしておくか
あるいは
主催者が友人の親から信頼され
急な話でも友人同士で開く会を任せても良いと
条件が整った場合
両親と交渉をしてお菓子を得るか
教わりながら手作りの練習をはじめることなどで
持ち寄る量を豊かにできるかもしれない、
といった相談が進んでいます。
話の中では
私もしっかりしている候補ではあったようですが
体があまり丈夫ではないから
もっとふさわしい人がいたらお任せしたいと思います。
それにしても
毎年経験してきたバレンタインデーと
本来、私の年齢で体験する場合とでは
少し内容が違うような気もしますが
このあたりは各家庭の方針の違いなのでしょう。
私がやがて訪れるのを待つバレンタインデーは
お菓子を集める日でもなく
仲のいい友人同士で集まる楽しい日というのもほんの少し違うようで
もっと明確な目的の存在を意識しているようです。
そこに近づけたかどうかを
真剣に検討しながら
それなのに達成だけではなく
過程で得る報酬もあるような……
そのような概念の抽象化も入り込めない具体性があるような
おそらくまだ子供なのではっきり
わかりません。
あと数日すれば──
少し大きくなると思います。