さくら

『すきま』
ぽつぽつ
こさめ。
あめのおとがきこえてきたら
とてもさむいよるになりますよって
おねえちゃんがおしえてくれるから。
さくらは
つめたいおへやにならないように
カーテンをしめてまわります。
まどのはしっこ
あわててカーテンをしめてまわったあとに
ちょっぴりすきまができているの。
まどわくと
カーテンのあいだ。
そこからガラスがのぞいて
おそとのひんやり
しめったくらいあめのくうきを
ガラスから──
じわじわ
おくってくるの。
くろくてみえないさむさは
とうめいのガラスではふせげない!
こんな日は
ぴっちりカーテンが
よいカーテン。
すきま
はっけん!
さくら、きちんとしておきます。
ていねいに
ゆっくりひっぱって
すこしはなれてようすをみるの。
よし!
すきま
ひとつうまったの。
さくらが
しめたのよ。
うまいでしょう。
こわいすきまをみつけだして
さむくならないようにしめるの
なぜか
あんまりちいさいこは
できないのよ。
ひっぱりすぎちゃう。
ということは
きょねんのさくらも
今のにじちゃんみたいに
ひっぱりすぎて
すきまができてしまっていたのかも?
すきまをさがして
よい子がいえのなかを
ぱたぱたはしる。
つめたいのは
どこだ?
お兄ちゃんも
すきまをみつけたら
さくらをよんで
しめてもらいましょうね。
どこにもすきまがなくなったら
あったかいおへやで
さくらがお兄ちゃんをさがします。
あったかくしていてね。