星花

『洋食』
ひとつのしっぽに
ひとつの頭。
ひとつのお皿に
えびがいっぽん。
堂々と
存在感もどっしり
わがやでもひとりにいっぽん
ばんごはんの主役をつとめる
本日はエビフライ。
しっぽを残すのも
食べるのも
どうぞお好みで。
星花たちのおうちは
やっぱりチャレンジ精神旺盛な子が多いので
かじってはみるんです。
いちおう。
だって、おいしいエビフライを
ごはんと一緒に食べた勢いで
はずみがついているでしょう?
ソースでもよし。
タルタルソースも合うし
なにしろあつあつには
何もつけなくても一番おいしい!
いちばんはどうなのかな。
お好みで。
そんなふうに私たちの家でも
どこか特別な感じがする
人気の洋食。
迫力のエビフライ。
でも、ここではお店のメニューというよりは
千切りのキャベツがついていて
しかも、年も練習もまちまちなみんなのお手伝いで
ずいぶん太さも不ぞろいになるわけですから
高嶺の花のエビフライも
ここではどうしても
手間や素材や腕前に頼らずに愛情でカバーしようとがんばるいつもの
おなじみの家庭料理!
ということになりそうですね。
栄養面ではタンパク質にタウリンと、ビタミンEもお役立ちだそうですが
やはり育ち盛りの子には
揚げ物のボリューム感で魅力を感じるほうです。
胃に重すぎることもなく
さくっといただけて
おいしくて会話も弾む。
欲張ってもう一本と
そんな気持ちも抑えつつ
もうひとつのおいしいお楽しみは
みんなのお手伝いの上達度をたずねてつなぐ
お皿洗いの際の会話の時間。
お皿の油がなかなかのくせものなの……
このあたりはボリュームのあるメニューの宿命といったところです。
きのうよりもちょっと
千切りやきれいな盛り付けや、お皿洗いや上手になっていたら
えびの高級そうな雰囲気はいったん忘れて
得意げな顔の子たちを思いっきり褒めてみたらいいと思います。
今日も星花たちの自慢は、作るのに慣れつつある手料理で
それを種に
お兄ちゃんと囲んだ食卓に
追加のおかわりをもらおうとしているところ。
みんなが今日もがんばっていたと
もしも覚えていてもらえたら
それでお兄ちゃんの一言があると
どうしても星花たちは
にぎやかな夜にはしゃぐ理由が増えただけで
ちょっとうれしくなると思うのです。