『祈り』
私たちのお兄ちゃんが
どれほど蛍の憧れで
頼れる人なのか
世界の誰よりも知っていても
それでもなお
とても難しい、大事なこと。
明るくて元気な小さい子供たちが
いつもその笑顔にふさわしく健康でいられますように。
大変なことがあって泣いてしまうとしても
それでも、前を見て進んでいける力を身につけられますように。
愛しい家族が
元気でありますように。
そして、長く続く私の毎日に
たくさんの家族と過ごす幸せが
できればこれからも増えていくとしたら
うれしいです。
まとめて言えば
家族繁栄
とか
子宝祈願
という話になるでしょうか?
ちっちゃい子は
本当に何をはじめるのかわからないので
いつも怪我をして、薄着で風邪も引いたりして
とにかくこの子が健康でいてくれたら
それ以上何も望まない!
という気持ちになると
もういくら立派な大人だとしても
相手が子供でも、人一人の生き方を
どうにかできるものではなくて
見守って
教えて
一緒に笑って
できるだけのことをしたら
あとはもう願うほかは
何にもできない。
そんなことって
よくありますよね。
お風呂に出かけて
お子さんがすくすく育っている最中のママさんや
これから新しい家族ができる日を
真剣に考えている若い奥様。
私たちにできることはあまりなくて
お話を聞いて感心したりどきどきしたり
後のことを考えてお勉強のつもりでしっかり覚えておくくらいしか
お手伝いできることはないのです。
ただ、願うしかできない気持ち。
大切な人のために
切実に思うしかないという時。
たまたますれ違った誰かのために
仮に現実的には何の意味はないとしても
昔の人が語り伝えた
神様へひとつだけ願って、手を合わせる。
そうしたくなるのは
何も不思議なことじゃないんです。
おうちのあーちゃんたちも
それからかわいいお友達も
まだ見ぬ未来の担い手たちも
見守ってくれる親しい人や、目に見えない支え、
いろんな力に守られながら
すくすく育って
理想を言えば
あなたを愛してくれる人みたいに
強くなってくれたら
もう何も言うことはありません!
あ、でもあーちゃんたちが憧れのお兄ちゃんと似るとしたら
強くて優しくなるのと同じくらい
いつもそばにいて守ってあげたくなるところがどこかにあって
そうしたら、蛍の何より最優先の一番が
いつもお兄ちゃんなんだ! と言い切れる日が続くのか心配になりますね。
小さな手のひらが
いつかそんなに立派になる時が来ても困らないように
蛍もまた、これからみんなと成長していけたらと願うんです。
姿を見たことのない、お話に聞く立派な神様とか
それから大切な人たちと
いつも一緒に。
です。
明日は寒くなって
ついにこの冬はじめての雪が降るかもしれない予報。
黄色いいちょうが落ちて積もった道と
葉を落とした枝に白く染まる景色。
まもなく街は冬化粧に変わるようです。
今日は寒くならないうちにと早めの銭湯を済ませて
とうとう修理が終わったおうちのおなじみのお風呂には
明日からということになります。
これで雪の中を歩かなくてもすみそう──
滑り込みセーフといった感じですね!
これは
雪が降るのと滑るのをかけただじゃれではないですよ。
そんなつもりは……
ちょっとだけ……
ね。
もう必要はないのに
それがわかっている帰り道。
なぜか寂しそうな顔がちらほらあったのはなぜかしら。
白く塗られた道と
今年一番の寒さの中を
歩いてみたい理由が
私の家族にもたくさんあるのかもしれないですね。
気をつけて、と
祈ることしかできないような
そんな感じもちょっとしたけれど
考えたら、服を貸してあげたり
残った分の割り引きチケットを
みんなには不公平になるから特別だよって渡すとか
お助けできることはありそうかな?
お兄ちゃんも、何かあったら
ホタ大明神に……いえ、大明神は言いすぎですけど
とにかくなんでも気軽に相談してみたら
霊験あらたかとは言えなくても
それなりに気休めにでもなれたらいいな?
みたいな、ゆるい感じです。
なんでも言ってね。
がんばります!